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#293 カウント9で立ち上がる
帰北し、高校ラグビー部監督への挨拶。そして地元開催のプロレス観戦も実現できた。
明けた翌日、目覚めるとどうも体がだるく、熱っぽかった。
体温計で体温を測ると、驚く様な高熱だった。
寒気も押し寄せ、全身に怠さを感じた。
病院に行ったところ、インフルエンザではなかったが、風邪の様だった。
子どもの頃からお世話になっている病院に久々に行った。
昔から診て頂いていた医師が優しく迎えてくれた。
油断していた訳ではないが、受験が終わり、無事合格した事で気が緩んでいたのかもしれなかった。
地元に来て、張り詰めていたものが切れてしまったのか。
折角の帰北だったが、いきなり寝込む事となった。40℃近い高熱でうなされながら、布団の中で過ごす事となった。
それから熱が下がって回復するまでに3日要した。5日程の滞在で半分以上を費やしてしまった。
その間は予定していた友人との再会もできず、延期にしてもらった。
タイミングが合わす、今回は断念する友人もいた。
心配した悪友達が電話を掛けてきてくれた。
小学校以来の悪友とはなんとかこの滞在中に再会が実現した。
二人のうち、1人が車を出してくれて僕を含めた3人で網走の海まで流氷を見に行った。
1人は高校も一緒で同じクラスで成績のビリ争いをしていた悪友。もう1人は高校は別になり、高校でアマチュアレスリングを続けて、全国大会まで出た悪友。彼は唯一、現役で推薦にて札幌にある大学へ入学しており、この4月から大学3年生となる。
久々に3人で揃ったのもあり、車内わいわいがやがやと大騒ぎで網走へと向かった。
海近くに着くと車を止めて海まで歩いた。ただでさえ寒い時期だったが、海岸ということもありより一層寒さが身に沁みた。
北海道に住んでいながら、意外とあまり近くで観たことのなかった流氷。接岸している流氷に乗ってみた。3人で代わる代わる写真も撮った。当時はスマホなどなく、自撮りもできなかったので
3人揃って撮る写真は一枚も無かった。
帰北してすぐにアクシデント的にまさかの高熱でダウンしてしまったが、なんとか回復し悪友達と再会が叶い、僕はとても晴れやかな気持ちに包まれていた。
続く…