2024/08/31〜09/01

8月31日(土)

『新源氏物語 霧ふかき宇治の心(上)』田辺聖子

薫はつい、多弁になった。日頃、心に思い描いている理想を、理解してもらえそうな相手に、思わず性急に、熱情こめて話してしまったのだった。薫は女人との交渉に夢があった。精神風土を共有したい、心の友というべき精神の手応えを感じたい、そんなことをあこがれていたのだった。

p94

田辺聖子さんの源氏物語面白い。『あさきゆめみし』ではじめて源氏物語を読み、その後角田版ウェイリー版を読んできたけど、ここにきてはじめて薫という人物と自分に共通点があることを知る。
理想を理解してもらえる相手に会えたら多弁にもなる。精神風土を共有し心の友というべき精神の手応えを感じられる相手なんてあこがれもする。
あと、なんかラブシーンに少女漫画みがあって、「きゃああ」という気持ちになる。

9月1日(日)

『麦本三歩の好きなもの 第二集』住野よる

心の扉を開ける経験をした三歩は、まだ閉じている扉と対峙することにも前向きになれた。ツイッターでただツイートしただけではない収穫を得た。
世界は望めば伸展する。
「あ、SNS」

p150

な、泣ける。本を読んで鼻がツーンとする経験を久しぶりにした。
リアルな人間との交流があまりない人間なので、SNSを肯定してくれるものに、どうやら弱いようだ。
エルフのコント「居場所」にもジーンとして、大好きになった。
自分に寄り添ってくれる物語、「今の私に必要なのはこれだったんだ!」と感じさせてくれる物語はどこかにあるはずだと知っているけど、どれがその本なのか、どうやったら出会えるのかは知らない。
この本を読んだのも救われようとして読んだんじゃない、たまたま読んだたまたま開いた本だった。
こういう本に出会える確率はどうやったらあがるのだろうか。

ちなみに、最後のセリフは
S=世界は
N=望めば
S=伸展する
です。


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