気鬱症
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生活に飽き飽きした私は、何か面白いことはないかと外へ出ました。街は相変わらず気鬱なようで。今日は特になようなので。少し心配にもなりますが、そっとするのが善なのです。
遥か山の頭には、雪が降り連なる1月です。
あの、そろそろ歌うのにも飽きてきました。特に何もありませんでしたが、今日はこれで帰りましょうか。どうせなら、あまり知らない道を。
ぼんやり寒々しい空っぽの田舎道を歩く。
特に懐かしむ情緒もない。
気づくと最寄りの駅に着いていた。
そういえばしばらく電車にも乗ってない。
定期はもう切れちゃってるかな。
おっ。明日まで。
...いや、いいや。再び帰路に着く。
どうせならあまり知らない道を行こう。
一歩ずつ、一歩ずつ私の
口から産まれる幽霊に後ずさりする。
自分の足音がやけに大きく聞こえて怖い。
ふと、忘れ去られた空き地の入口に
ポツンと自販機の光が灯っていた。
180円のモンスターエナジーを買うと
緑のランプが赤く変わった。
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