親父と薔薇(200字ノベル) 猪野いのり 2016年1月13日 22:12 ただいま、と定年退職してきた親父が帰宅した。「似合わないもん持ってるな」「煩い」白い薔薇の花束とプレゼントを抱えている格好は、昔気質の親父に似合わない。「俺に似合うと思ったんだとよ。多分俺の仕事着をイメージしたんだろ」料理長として手腕を奮っていた親父。俺はソファでスマホを弄る。「なるほどね」俺は画面を親父に見せた。「花言葉だってよ」 俺はその日初めて号泣する親父を見た。 #小説 ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #小説 #超短編