何時ぞやの桜(200字ノベル) 猪野いのり 2016年1月13日 22:17 「枯木に花を咲かせましょう」そう唄ったは何時ぞやの翁。彼が皺だらけの手を振るう度に、桃色花弁が樹を彩る。あれは何時ぞやの幻か。可憐な花は刹那の命。貴方の為に差し出した命。 目を覚ますと少年は通学途中だったと思い出す。目の前に広がる河川敷は、毎朝電車から見える景色。どこか、懐かしい。 「枯木に花を咲かせましょうか」 ついと出た台詞と共に、切なさが胸を締め付けた。 #小説 ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #小説 #超短編