髪を整える「だけ」じゃない
ヘアサロンに行って、髪を整えてもらってきた。具体的には後髪を揃え、前髪を短く切り、ヘアマニキュアで染め、トリートメントをしてもらった。仕上げにブローをしてもらい、スプレーを吹いてもらって、髪はつやつやである。
自画自賛しているが、それができる髪にしてくれたのはスタイリストさんだ。この方の技術なしには髪は綺麗にならない。ありがたいことである。
技術が高いだけあって、料金も安くはない。あまり働いていない私が気軽に払える金額ではない。髪を整えるだけなのに、私がそこまで贅沢をしていいのだろうか、と思わないでもない。
しかし、髪がつやつやになっただけなのに私は嬉しいし、機嫌がよいし、幸せだと感じられる。何事もうまくいくような気さえする。しばらく怖いものなし状態になれるのだ。そんなに満足度が高い体験、なかなかないのではないか。
人によっては「だけ」のことだが、自分にとっては大事なことなのだ。そう思える物事にならば、ふさわしいだけの時間やお金をかけてもいいと思う。嬉しさとか、機嫌のよさとかは、いつでもどこでも時間やお金を差し出せば得られる、というものではないのだし。
しかし、帰宅した私は疲れて横になってしまった。起きたら髪はぐちゃぐちゃである。魔法を数時間しか保たせることができなかった。ほらやっぱりもったいない、という声が聞こえないでもないが、いいのである。こういった魔法をかけてもらえば幸せになれる、そう知っているだけでも強くあれる。
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