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何はなくとも、ではなかったのか

4月9日、大いに迷った。

大通りをしばらく歩くと、バス停が見えた。iPhoneが使えないので、時刻すらもわからない。かなりバスを待った。ようやく来たバスに乗り込み、椅子にこしかけて、私は思った。モバイルバッテリー、もう1個持っておこう。

「何はなくともモバイルバッテリー」https://note.com/sayakaya/n/n00b6d55c5e47

迷った上にiPhoneの充電が切れて大変な目に遭ったのだ。そして引用のように、モバイルバッテリーをもう1個持とうと思った。

今日、家を出ようとした時点で、iPhoneの充電が50パーセントだった。しかも、モバイルバッテリーの充電も尽きていた。だが、もう出かけなければならない。まあ、なんとかなるだろう。そう思っていた。

私は同じ過ちを犯してしまったのである。この過ちは防げたはずである。モバイルバッテリーをもう1個持とうと思った時点で、購入していれば。

していなかったのだ。

今月もお財布が厳しいな、じゃあ買うのは来月かな、モバイルバッテリー。そう何度も思って、もう5カ月が過ぎている。そして今月も厳しいのでモバイルバッテリーを購入する予定がない、等と犯人は供述している。厳しいのは確かだろう。だが、厳しいと言いながら購入しているその本はなんだ。しかも何冊もあるのではないか。その合計額でモバイルバッテリーは買えるはずである。

本当に必要な物を差し置いても、自分がその瞬間に欲した物に手を伸ばしてしまう。入手した時は満足するだろう。だが、その一時的な満足と引換に、長く続く安心を失っていることに、そろそろ気付かねばならない。

モバイルバッテリー、今、注文しておくか……。いや、「楽天お買い物マラソン」の時期になってからの購入がお得なのでは……!

いや、だから、その一時的な満足と引換にだね……。


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大場さやか
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