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白髪を染める

ヘアサロンへ行ってきた。前髪を切って、後ろ髪を整えて、白髪を染めてもらう。だが、前回ヘアカラーで白髪染めをしてもらった後、しばらく頭皮がかゆくなってしまったのだ。頭は毎日洗っているが、それでもかゆくなることがあるので、皮膚にアレルギー症状が出ているのだと思う。この状態では髪を染めないほうが良いかもしれない。ヘアサロンのネット予約時、備考にこの懸念を書いておいた。

サロンでは、ヘアマニキュアを提案してもらった。ヘアマニキュアは、髪の表面を薬剤でコートする仕組みで、頭皮に付かないように、くしで髪に塗布する。そのため、頭皮へのダメージも少なくなるそうだ。納得して、ヘアマニキュアをお願いすることにした。

ただ、デメリットもある。髪の内部を染めるヘアカラーは数カ月色持ちするそうだが、ヘアマニキュアは表面を染めているだけなので、色持ちの期間は短い。そして現実的な問題、ヘアマニキュアのほうが、ヘアカラーよりも料金が高くなるのだ。色持ちが短くなった上に料金が増しては、出費がかなり増えてしまうことになる。果たして、私の髪にそこまでのお金をかける価値があるのだろうかと、思ってしまった。

これは本当に、自分が満足するかどうか、だと思う。白髪を染めて綺麗な髪色になることで、気分が良くなるのならそれでいい。白髪を染めなくても気にならないのだったら、それでいい。さて、私はどちらだろう。自分のことなのによくわからないのだ。

白髪が増えるのは老化現象であるから、なんとなく残念なような気持ちになってしまう。しかし人が年を取り、身体に変化があるのは自然なことだ。年を取っても何も変わらないほうが、自然的観点からするとおかしい。若さは素晴らしいものだが、不変な物などこの世界にはない。変わるからこそ、人は成長できるのだし、いつか成熟できるのである。もちろん、その先には衰退も待っているのではあるが。この成熟から衰退までの期間を、自分も、周囲も、優しく受け止めて見守ることができる環境があればいいのに、と思う。

話が大きくなってしまったが、老いていくこと、それによって自分の心身が変わっていくことを、ポジティブに捉えられたらよいのだろう。しかしそれは簡単なことではない。体調不良、体力低下などの問題を私も日々、嘆いている。そういった問題に直面しながらも明るくあれ、というのは酷なことかもしれない。

日々の問題を嘆きつつ、たまには何か気分の上がることをして、自分をなだめすかしながらやっていくしかないのかもしれない。その、気分の上がることの一つとして、髪色を変えることも挙げられるのだろう。ということで、しばらくは「気分転換の一つ」として、白髪を染めていこうかと思う。いつか、その気分転換は自分に必要ないと思える日がきたら、それはそれでいいのだ。


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大場さやか
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