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予定通りには進まなくても

予定を立てることが好きだ。全ての行事は予定を立てるところから始まっている。ああでもないこうでもないと時間調整をしている間が、楽しい。

2月27日には午後から診察の予約がある。決まっているのは日にちだけで、時間は診察時間内ならどの時間に行ってもいい。経験上、診察始まりの時間は混雑する。でも診察終わりの時間に行くと帰りが遅くなる。ということであまり待たず、かつ遅くならずに帰れるような時間を目指して行くことにした。15時から16時の間である。予定が一つ立った。

そうすると午前から15時辺りまで予定がない。その時間を有効活用できないものか。そうだ、予約を受け付けていない別のクリニックに行っておこう。午後の診察だと、予約が入っているクリニックと被るので、午前の診察時間内に行こう。予定の二つ目が立った。

しかし、午前の診察がうまく進んだとして、午後15時過ぎにクリニックに行くまで、3時間ほどの余白ができてしまう。これくらいの時間をちょうど埋めてくれる物は何かないだろうか。そうだ、映画を観ていればいいのではないか。近くの映画館のサイトを検索して、気になっていた映画の上映時間を確かめる。12時40分からの上映があった。これだ。三つ目の予定だ。

あと、医院と映画の間に、送る物があるので宅急便の営業所に寄ろう。時間にも余裕はあるので、特に問題なく行けるはずだ。四つも予定が立てられた。

26日夜、それらの時間などを手帳に記入して私は眠った。明日は決めた通りに予定を実行するだけだ。何の無駄もない素晴らしい予定が組めた。

しかし、27日。私が目を覚ましたのは11時半だった。急いで準備して出たとして、午前の診察には間に合うかもしれないが、映画には遅れるかもしれない。迷った結果、診察を諦めて映画館に向かうことにした。

その前に宅急便の営業所だ。匿名配送なので、まずはサイトにアクセスしてコードを発行する必要がある。しかし、私のスマホはデータを使い過ぎたため通信制限中であり、サイトには一向につながらない。15分くらい待っただろうか。諦めて私は通信用のデータを購入した。0.5ギガで605円である。予定外の出費であるが、これで無事に荷物が送れる。

そう安心した私の前に、並んで待つ列に気付かなかったのだろう人が立ってしまった。こちらから声を掛けることができず、受付の方から並ぶよう声掛けしてくれないかと願ったのだが、そのままその方の荷物を受け付け始めてしまったのだ。その上、なんだか応対に時間もかかっているように思う。ようやく私の順番が来た時には、時間は12時30分であった。そう、映画の上映時間まで10分しかない。荷物の受け付けを終えてもらうやいなや、早足で私は映画館へ急いだ。距離があまりなかったことが幸いだった。12時40分に映画館に到着し、入ったスクリーン内ではまだ予告編の上映中だった。間に合った。

予定を立てることは楽しい。予定通りに物事が進んでいくのも楽しい。だが、予想もしないアクシデントが発生することがある。予定通りにはいかなかった今日、出費に、列の横入り、慌てての移動。なんて日だ、と思ってしまった。

だが、まあ午前の診察には行けなかったが、荷物は送れたし、映画は観られたし、午後の予約をしていたクリニックには行けたではないか。トラブルをなんとか乗り切った、それは良いことではないだろうか。予定を立てることと同じくらい、予定外の出来事も楽しめたら、もっと毎日は面白いのかもしれない。

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大場さやか
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