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取材、そして天変地異
宮崎県での地震、南海トラフ臨時情報、そこに加えて、台風5号の岩手直撃。いよいよ末法の世が到来したのかと感じる8月上旬。
カバーだけ週半ばに作ったので、ハッシュタグと中身が齟齬をきたしている。
世界観をつくるクライアントワークの楽しみ
今週は海と畑で2件の取材。畑の方の取材は、これまで何度もご一緒している同世代のデザイナーご夫婦からお声がけいただい案件で、今回も3人での取材。奇遇にも生産者さんも同年代(生年月まで同じ)とあって、話している中でも共感してすることが多く、なごやかな時間。
デザイナーさん夫婦がこれまで撮影やパッケージのデザインなどで信頼関係を築いていたことが伝わる。
私は新聞記者出身なので、どちらかというと媒体向けの記事作成が得意ではあるが、生産者さんや企業さん、飲食店さんなど、作り手自身のサイトのためのライティングの楽しさを教えてくれたのはこのデザイナーさんである。
生産者さんの穏やかで地に足のついた人柄の魅力も含めて、農園の世界観を伝えたいなと思う。
撮影する人、デザインする人と現場で同じ時間を過ごして世界観を作れるのはこういったクライアントワークの醍醐味だと思う。
地震と台風に怯える
そんな充実した取材を終え、ますと乃湯で汗を流し、サウナで整って出てみると、宮崎県での地震の速報。そこからあれよあれよという間に、日本は天変地異の世に突入。(……と言っても実際に起きたのは地震と台風だけだが)
思えば「光る君へ」で安倍晴明が何度も祈祷しているのも、時が末法の世で、疫病や地震、干ばつなどの天変地異が続いていたからだ。まさにこれが世に言う平安の末法思想。
AIだなんだと言っていても、自然を前に人間ができることといえば、最後は祈ることしかない、というのは、平安時代も20世紀末も2020年代の今も変わらないのかもしれない。だからこそ、神社があり祭りがあり、郷土芸能がある。
夫の実家が南海トラフの浸水域であることに怯えている間に、岩手県に台風5号が直撃するとの予報が出される。もはや日本に安全な場所などないのだな。
関係人口と他拠点の意味
一方で今住んでいる岩手、実家のある埼玉、夫の実家のある三重、と3つに関係性があるので、どこかが被災してもなんとかなるかなという根拠のない安心感もある。
つまり、関係人口のつながりが太くなるということはそういうことで、関係のある地域が被災したら応援に駆けつけねばという気持ちになるし、いざとなったら疎開させてもらおうという気にもなる。実際その場になったら地域を残して疎開はできないような気もするが、それもできるという安心感は心強い。
そんなわけで関係人口とか多拠点というのは、この災害多発時代のリスクヘッジとして防災的な意味もあると思う。
一方で、こういう時代だからこそ、地域の道路や時間をよく知る建設や土木の事業者の果たす役割は大きいなと感じる。
ちょうど数日前に地域の建設業が厳しいという話をしたばっかりだったが、公共事業を発注する以外の方法で、災害に備えて地域の建設業者が生き残る術を考えることは、地域住民にとっても重要なテーマになってくるのかもしれない。
まだ2016年の台風災害の復旧工事が続いている岩泉は今回の台風でまた被害を受けたようで心配だ。これから先、地震や台風で被災したインフラも全てが復旧することは叶わない時代になるのかもしれない。
人口減少が全て悪だと言いたくはないが、国のお金がなくなるということは、復旧するための予算も捻出できなくなるということだ。その影響は人口の多い都市ではなく、間違いなく地方が煽りを食うことになる。
自然環境や災害の影響を受けやすい山間部や海辺のまちは、一次産業の生産の現場であり、日本の食糧自給率を支えている地域だ。
もちろん一次産業も競争力をつけていく必要はあるが、一方で生産者が自然の脅威にさらされながら、生きるリスクを都市部の消費者が補填してもおかしくはないと思う。そうでないと、この海水温の上昇や頻発する豪雨災害といったリスクを背負った上で生産を続けていくのは難しい時代に入っている。
結局何を書いても一次産業の話になってしまうな。
余談
スマホの音声入力で文章を作ってみたけれど、結局見出しの入力が手間取ったりして、やっぱり最終的な編集は PC が効率が良さそうだという結論に至る。
次週の前半は天変地異などが起きなければ、三重県で過ごす予定。穏やかにお盆や終戦の日が迎えられますように。