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地域に飛び込むplanned happenstance 2024.11.18-24

しばらく塩漬けにしていた原稿にやおら取り組む。週の後半からは盛岡で会議や研修会のラッシュなので、書けるものは書けるうちに。アウトプットとインプットの両方のバランスが良い1週間。


釜石特産「甲子柿」の現場へ

前の週までと比べるとちょっと余裕があるので、地域の農家さんやお世話になっている親世代のご夫婦のもとへ。
月曜日は釜石の特産品である。甲子柿(かっしがき)を栽培している内舘さんの室(むろ)へ。甲子柿は、釜石の中でも西端にある甲子地区だけで続いてきた特産品で、渋柿を「室」と呼ばれる小屋の中で燻製することによって渋を抜く。
内舘さんは昨年、千葉県から U ターンしてきて就農した方で、U ターン検討時点から、移住コーディネーターとして少しサポートをしてきたというつながりがある。
釜石に住んで10年になり、毎年、甲子柿を食べているし、何なら市外から人たちに向けて甲子柿とは何かという説明をしているのだが、実際の室を見たことがなかった。なので、今回ギフト用の甲子柿を用意していただくのに合わせて、お邪魔した次第。

田舎暮らしフリーランスの醍醐味?

内舘さんとお母さんとこたつに入ってちょっとお話し。古い釜石を知るお母さんの言葉に「なるほど」とか「ああ、だから釜石の人はこういう風に認識してるのね」とか個人的に気づくこと多々。
おしゃべりの後、室の中も見せていただく。こういう生産の現場にふれる時間を過ごせるのは地方にいる醍醐味だし、自分次第で時間の調整が効くフリーランスならでは。
(室の中の様子はinstaにあげたので、ぜひみてください👇)
https://www.instagram.com/sayaka_tezuka_iwate/

甲子柿の室

釜石の心のふるさと栗林で持続的な地域を思う

水曜日は復興支援員時代からお世話になっている藤原さんのお宅に遊びに。今回は近くの町に地域おこし協力隊として移住をしてきて、山の恵みを生かしたなりわいを作っていきたいという女子を伴っての訪問。
このご夫婦とは、一緒に山にわらびを採りにに行ったり、敷地内でたけのこを掘らせていただいたり。釜石暮らしを楽しむ達人だ。
旦那さんの信孝さんが今年目の前の鵜住居川で釣った鮎をいただきながら、薪ストーブを囲んで、問わず語りに、この地域でもたくさん採れる柿のことや、集落のこと、津波の話などを聞く。

移住してきた人たちには、こうして地域で生きる人たちの声にたくさんふれてほしいと思う。このご夫婦のように釜石を愛し、釜石の暮らしを楽しんでいても、いや、だからこそ、地域の過疎化やそれに伴って空き家が増えていくことに心を痛めている。
「過疎化をマイナスではなく、チャンスとして捉える」と口で言うのは簡単だが、実際に集落の中から人の姿が減り、空き家が増えていくのを日々見ていれば、そこにマイナスの感情を覚えないということは難しい。
その中で、どうやって希望と可能性を見出し、地域を持続させていくのか。そこにはやはり、その地域にソトから光を当てる存在も必要だ。
今回お連れしたMちゃんと奥さまとが仲良くなるのを見て、このご縁にいろんな可能性を感じるひと時。
やっぱり、何かをつくろうとする人のパワーってすごいなとMちゃんに思いつつ、生産と消費、作ることと使うことなどを考える。

雨風太陽・高橋代表、大いに語る。

金曜日からは2泊3日の予定で盛岡出張。岩手県の今後の方向性について意見交換をする県総合計画審議会に出席したり、地域おこし協力隊活動事例発表会を運営したり。

その合間に友達の高橋くん主催の働き方の勉強会にも参加。

釜石にいてもオンラインで様々なインプットは受けられるが、こうしてその場にいて同じ時間の場所を共有した人同士で学びを共有できる時間はいいなとあらためて思う。

事例発表会の基調講演の講師は、岩手発・インパクト IPO を果たした雨風太陽の代表の高橋博之さん。同社の名前は知らなくても産直ECの「ポケマル」は知っている人も多いと思う。

ちなみに、博之さんとは11年前からのご縁がある。彼が前身の東北開墾というNPOを立ち上げる直前に、毎日新聞記者として取材して以来、講演を聞いたり、取材をしたりと何度も聞いているのだけれど、毎回、アップデートされている部分があって、毎回違うことに気づかせてくれる。

今回、私は進行役兼トークセッションのファシリテーターだっただが、今回印象に残ったのは、
リスクを取って自分で決め、自分で行動するということによって生きている実感が得られる。しかしこの実感は都会にいると感じにくい。だから、それに葛藤した人が地方に活路を見出すのは自然の流れだという持論。
これは、たぶんかなり初期から博之さんが言っている持論だと思う。でも、今の自分に刺さったのはこの部分だった。同じ本を読み、同じ講演を聴いても、自分が変化すれば刺さる部分は変わる。
そのほか、選択と集中論への疑問、一方で、「地域を仕舞う」ことなど、もっと訊きたいこと、質問したいこと多々。

ここでもplanned happenstance 

講演の後は、3人の現役地域おこし協力隊と博之さんとのトークセッション。3人のうち2人は地域で独立予定。その2人の共通点として、3年後(協力隊の任期は最長3年)のゴールイメージを明確に描いて、そこに向かって計画的に行動するよりは、まずは地域に飛び込み、地域の人たちと出会う中で、自分がここにでできることや、やるべきものを発信していくというスタンスだった。
このトークセッションの最後で、私は(このnoteでおなじみの)
planned happenstance について紹介したが、短くしゃべったことに付け加えるとすると、外に対して開いている状態であることによって、自分にとって有益なこともそうでないことも様々な情報と接触することができて、その中で有益な情報にも繋がることができるということだろうと思う。
登壇した刈屋さん(岩泉町協力隊)が乱発?した「たまたま」という言葉が象徴的だった。

ベースを音声入力したらやっぱり長くなった。もう少し音声認識の正確性を上げるにはどうしたらいいだろう。



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