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越境体験とキャリア 24.10.28-11.3

先週に引き続き土日は埼玉に帰省し、月曜から釜石で仕事。今週締め切りの原稿が2本あったのでそれを進めつつ、今週も人前でお話をする仕事をいただく。最近はたまたま新しいテーマで喋らせてもらう機会があって、自分の考えていることの整理と言語化が進んだ。

越境体験とキャリア


火曜日(10/29)は、「越境」をテーマに自分自身がこれまでどのような越境体験を経て、今日の自分に至っているかをお話する。


「越境学習」という言葉はコロナ禍あたりの時代に注目されたので聞いたことのある人も多いと思う。
この能率協会の記事には

越境学習とは、普段勤務している会社や職場を離れ、まったく異なる環境に身を置き働く体験をすることから新たな視点などを得る学びのことです。他社留学、社外留学とも呼ばれます。具体例としては他の企業や非営利法人への出向、社外の勉強会やワークショップへの参加、ビジネススクールや社会人大学の受講、ボランティア活動やワーケーションなどがあります。

JMAM サイトより

まさに釜石では、このJMAMと組んで、様々な越境学習の学びの場を提供してきた。今回私が機会を頂いたのも、某大手人材派遣業の社員研修の一環で、地方=釜石での学びを通じて、

・キャリア自律(キャリアオーナーシップ)の考え方
・新たな社会課題解決に挑もうというマインド
・組織を越えた協業に臨む姿勢

といったものを身につける趣旨で企画されたという。
(私は某大手人材派遣業の方から直接説明を受けたわけではなく、受入をコーディネートしている方からの説明を要約したもの)

越境学習者を迎えて気づくこと

自分の話はさておき、もうひとり同じ場でパソナ東北創生の戸塚さんも話をして、さらにJMAMのふっちーさんのファシリで参加者と対話をしたことで、気づくことが多かったので書き留めてきたい。
まず一番は、この戸塚さんと9年くらいのつきあいで、最近は友だちとして仲が良いにもかかわらず、彼女のライフヒストリーの詳細を初めて知ったこと。
どういった経緯で釜石に来て起業するに至ったのかというアウトラインはもちろん知っていたが、それぞれの決断のタイミングで何を思い、何を志してきたのかきちんと聞いたことがなかったことにこの日初めて気づいた。

しゃべっているのが戸塚さん

越境学習に来る人たちを迎え入れる場が、同じ地域にいる人(戸塚さんと私)同士にとってもお互いを知る場になっていたということだ。

移住を決めた人がみんな言うこと

もうひとつは、前日から釜石で地域の経営者や地域おこし協力隊とも交流してきた参加者が「釜石の移住者は皆、共通して、(移住しても)『なんとかなると思った』とか『食いっぱぐれることはない』と楽観的だ」という感想を聞かせてくれたこと。
外部から来た人が、釜石で生きている私たち1人1人の語りを聴き、そこから感じ取った共通性を伝え返してくれるという機会はあまりない。
人材業界の方だけあって、キャリアや学びへの感度がとても高い人なんだろうなと思った。

もちろん、1時間やそこいらで1人の人生を語れることはない。でもだからこそ、その1時間に詰め込まれたエッセンスは濃いものであり、少なくとも語り手にとっては大切なものだ。

そこから感じ取ったのが「楽観性」なのであれば、釜石に移住するには楽観性が必要、もしくは長く住み続けるには楽観性が必要、ということなのかもしれない。

Planned Happenstance 理論

ちなみに私の好きなキャリア理論のひとつであるクルンボルツのPlanned Happenstance 理論では、この5つが必要と言われている。

<計画的偶発性を起こす行動特性>
好奇心(Curiosity):新しいことに興味を持ち続ける
持続性(Persistence):失敗してもあきらめずに努力する
楽観性(Optimism):何事もポジティブに考える
柔軟性(Flexibility):こだわりすぎずに柔軟な姿勢をとる
冒険心(Risk Taking):結果がわからなくても挑戦する

クランボルツ教授がビジネスの世界で成功者とされる人たちのキャリアを調査した結果、「成功の要因の8割が本人の予想しない偶然の出来事によるものだった」というデータに基づいた理論だ。
自分が成功しているとは全く思わないけれど、なんとかかんとか釜石に住み続けられているのは、偶然の出来事を自分の糧にできたという幸運にほかならない。

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