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みんなで作り上げた焼き芋パーティー

さやか星小学校 教務主任・第1学年担任 島岡次郎

 明けましておめでとうございます。佐久市で初めての年明けを経験しました。大晦日に年越し蕎麦を食べようと思ったら、お蕎麦屋さんは年越し蕎麦の受け渡しだけで、店舗での営業はしていませんでした。私が昨年3月まで住んでいた東京の八王子市では、大晦日まで営業しているお蕎麦屋さんも多くあったので、油断しました。なるほど、こういう所にも地域ごとの文化があるのだなと勉強になりました。今年は佐久市に教育移住を考える皆様のために、私が佐久市に住んでみて感じたことを、このnoteでもお伝えしていきたいと思います。さて、年明け最初の記事は、昨年の12月に行った、焼き芋パーティーのようすをお伝えします。


保護者の皆様と共に作る

 11月に収穫したサツマイモをどのように食すか。輪切りにし、家庭科室で焼いて食べようか。少し手間をかけて、大学芋やスイートポテトを作ってみようか。いろいろ考えましたが、「やっぱり冬は焼き芋でしょう。」ということで、どうにか校庭で焼き芋ができないかを模索しました。しかし、教員だけで安全に焼き芋をするのは、火の番などをすることを考えると難しい。そこで、保護者の皆様に協力をしていただくことにしました。
 これまでにも、校庭の草むしりなどで保護者の皆様には協力をいただいてきました。さやか星小学校では、保護者も子どもと共に学ぶ「学びクリエイター」であると考えます。子どもの良き学び、良き成長のために、保護者はどうあるべきか、どのような行動をとるべきか。共に学んでいただくことを、学校の理念として掲げています。だからこそ、こうした行事にも積極的に参加してくださる保護者の方がとても多いです。それは、「お手伝い」という受身の姿勢ではなく、子どもの学びに参加することで、自分も何かを学び取ろうという主体的な姿勢を持っていてくださるからだと思います。保護者の皆様には、焼き芋をするための場所の準備から、児童が焼き芋を新聞紙に包んで火に入れるのを見守っていただくところまで、全面的に協力をしていただきました。子どもたちの楽しそうな笑顔もさることながら、保護者の皆様の、子どもたちの成長した姿を嬉しそうに見つめる笑顔が印象的でした。
 ちなみに、さやか星小学校の保護者の方は、事前に予約をすれば、毎日いつでも授業見学をすることができます。その代わり、土曜日などに授業参観日を特別に設定することはしていません。これは、授業参観日を設定してしまうと、教師は参観用に作り込んだ授業をしようとするし、児童も保護者の方がたくさんいると、緊張からいつも通りの姿ではなくなってしまうことが多いからです。私は公立学校時代、参観日に「いつも通りで良いんだよ。」と子どもたちに伝えたことがあります。すると、子どもたちから「先生がいつも通りじゃないじゃん。」と、あまりにも真っ当な反論をされました。確かに、いつもジャージなどラフな格好で授業をしている先生が、スーツ姿でそんなことを言っても、何の説得力もありません。保護者の皆様に見ていただきたいのは、真の意味での、子どもたちの「いつも通り」の姿です。そこには、目を細めるような成長もあるでしょうし、乗り越えていかなければいけない課題もあるでしょう。それを、飾ることなくそのまま見ていただき、成長と課題を共有する。そして、教師と保護者が協力して子どもを支えていくことを、さやか星小学校は目指しています。「見栄えを良くすることに時間を使わない」というのは、運動会にも共通する理念です。

地域の皆様と共に作る

 前述の通り、学校の職員だけでは焼き芋を実施するのは難しいと考えていました。しかし、地域の皆様が「焼き芋をするなら手を貸すよ。」と言ってくださったことで、「やってみよう。」という機運になりました。当日、濡らした新聞紙に芋を包み、一斗缶に入れて加熱しました。一斗缶を使うというのも、教えていただかなければ分からない方法でした。
 さやか星小学校は、佐久市立青沼小学校の校舎を再利用して運営しています。さやか星小学校の校舎には、青沼小学校として在った時間の、子どもたちの、教員の、地域の人々の思いが染み込んでいます。さやか星小学校は私立学校ですので、地域の子どもたちが通うわけではありませんが、これからも地域の皆様にお力添えをいただきながら子どもたちを支えていきたいと思います。

2025年も教育の「あたりまえ」を変えていく

 学校の「あたりまえ」を変えるということは、今まで自分たちが行ってきた教師としての営みを変えるという試みでした。何も考えずに行っていた「あたりまえ」から、「これは子どもたちの成長に欠かせない活動だ」と思っていた「あたりまえ」まで、あらゆる「あたりまえ」を疑い、子どもの成長にとって本当に必要なものを作り上げていく営みでした。そして、それはこれからも続きます。我々が今年作り上げた「あたりまえ」も、本当に必要なことなのかどうかを考え、常に改善を繰り返していきます。「あたりまえ」は、常に繰り返される改善と挑戦の中にある。「学び手は常に正しい」。それだけが、変わることのない「あたりまえ」なのだから。

まだ間に合います!2025年度入学検定(最終)!

 2025年度入学希望者向け、最後の入学検定を実施します。詳しくは下記のリンクからホームページをご覧ください!!
https://www.sayakaboshi.ac.jp/top/news