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月曜日まで待てない!

さやか星小学校 教務主任・第1学年担任 島岡次郎

2月20日金曜日,朝の準備をしていたA子さんが言いました。

A子さん 「先生,月曜日が楽しみで楽しみで待ちきれないよ!」
島岡 「ん?月曜日に何かイベントあるの?家族でお出かけでもするの?」
A子さん 「違うよ!月曜は算数があるでしょ!早く算数がやりたいの!なんで金曜は算数ないのよ!」

 「おいおい,流石にそれは盛りすぎでしょ島岡さん。」という声が聞こえてきそうですが,これは本当に子どもから出てきた言葉なのです。A子さんに限らず,多くのお子さんが算数の授業を心待ちにしているのです。そして,授業が始まれば本当に遊園地にいるかの如く楽しそうに学習に取り組む姿が見られます。第1学年は,今年度終了まで1ヶ月を残して算数科で学習する単元を全て終えました。ここからは,学習した内容が確実に定着しているかを確認し,必要に応じた復習と,発展的な深掘り学習を存分に行います。さやか星小学校のパーソナライズ学習・算数遊園地は日々進化しています。その片鱗を今週はお見せします。


1. ミッションカードの導入

 以前お伝えした奥田理事長の研修で,児童が前向きに活動に取り組む工夫としてスタンプラリー形式を授業に取り入れることを教えていただきました。1年生で学習した単元を数題ずつワークシートにしてiPadに入れ,クリアしたらミッションカードにスタンプが押されていく方式を取り入れました。スタンプが押されるごとに子どもたちは達成感を得られますし,自分の学習がどこまで進んだか,次に何をすれば良いかが視覚的に理解できるので,迷わず自分の学習に取り組むことができます。ミッションカードもiPadに入っており,共有されたデータ上で担任がスタンプを押すので非常に効率的です。判子レスの波は1年生の教室にも広がっています。

2. 色々な単元を学ぶ

前述の通り,子どもたちのiPadにはこれまで学んできた単元のワークシートが数題ずつ入っています。毎時間ちょっとずつ違うタイプの問題に取り組むので飽きませんし,全ての単元を網羅するので毎日1年生の総復習をしているようなものです。昨日間違えた問題に今日は答えられて,「分かった」「楽しい」という強化を毎日得られる仕組みになっています。

数の直線クイズです。「34より5大きい数は?」や,「106より8小さい数は?」といったクイズに答えることで,楽しみながら数直線に慣れていくことができます。
時計クイズです。毎日少しずつ練習することで,分単位の細かい時刻を正確に読めるようになっていきます。

3. 好きな順番で学ぶ

 子どもたちは日々8個前後のミッションに取り組みます。毎日出る定番のものもあれば,日替わりで登場する単元もあります。子どもたちは自分の興味関心や得意不得意に応じて順番を自由に決めて取り組みます。得意な単元で勢いをつけてから定着が甘い課題に挑むお子さんもいれば,教室内を動き回って取り組む学習から始めて,頭と体のウォーミングアップをしてから計算問題に取り組むお子さんもいます。そのため,同じ教室にいながら学ぶ場所も内容もバラバラです。しかし,その集中力たるや凄まじいものがあります。45分間一度も手を止めず,自律的に学習を進めていく姿には感動すら覚えます。

テレビの横の長さは筆箱いくつ分なのかを調べています。机上の学習だけでは分からない感覚的な学びも重要です。
紙テープに絵本の縦と横の長さを写しとる学習です。これも苦手なお子さんが多いのですが,毎日1回繰り返し練習することで,全員が速く正確に写し取って長さを比べることができるようになりました。
ストローを使って色々な形を作る学習です。三角や四角といった形を組み合わせることで,家や船などを表現することができることを学びます。パズルのようで楽しい学習なので,子どもたちは夢中で取り組みます。

4. 定着が甘い時は丁寧に個別支援

 全員が全ての単元を漏れなく理解できているわけではありません。中には,だいぶ前に学んだために忘却が進んでいる単元もあります。「長さ比べ」などはその良い例です。直接比較,間接比較,任意単位による比較といった方法は,単元を学習していた時は理解していたけど,今になって「やってみて」と言われると意外にできなかったりします。これもミッションカードに入れて毎日少しずつ練習すると,楽しく,飽きずに学習することができます。そして,ほぼ支援の必要なく自律的に学習が進んでいくので,分からなくて困ってしまっているお子さんに丁寧な個別支援をする時間が取れます。とはいえ,まだまだ1年生ですので自律的な学習には限度があります。今後の課題は,子どもたちが自己採点をできるようになることです。このスキルを獲得すると,自律的な学習が格段に進みますし,教員は個別支援にさらに注力できるようになります。次のブレイクスルーになる予感がします。

副担任の厚子先生も個別の支援に入り,分からない問題があるお子さんを素早くサポートします。

 冒頭のA子さんとの会話から火が付き,「算数やりたい!」「早く月曜になれ!」という子どもたちの声がデモのように教室に満ち溢れました。そんな子どもたちの燃え上がった心に感動しつつ,私はあることを告げなければなりませんでした。

島岡 「みんな,月曜日は祝日だから,学校ないよ。」

 子どもたちは絶望した表情で叫びました。「休みいらない!」と。手前味噌ですが,すごい子どもたちだなあと思います。ずっとそう言ってもらえるように,授業作りを頑張ります。

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