さやか星小学校の小さなカメラマンたち
さやか星小学校 教務主任・第1学年担任 島岡次郎
A男君の独白
先生、もっとこう、腕をクロスして・・・そうです。で、顔をもう少し下げてもらって・・・いや、ちょっと下げすぎです。もう少し上で・・・今度は上げ過ぎなので気持ち顎を引いたら良い感じに・・・ああ、そうです、そこ。で、足はちょっと曲げてもらって情けなさが出る感じに・・・良いですね。これは良いですよ。最後に、顔は「やっちまった」的な感じにしてもらって良いですか?いや、それだとコミカルすぎて「やってもうた!」という感じなんで、もう少しサスペンス番組終盤的なシリアス感を出してもらえますか?崖のシーンが思い浮かぶような。あ、やりすぎです。それだと「やってしまった・・・。」みたいな、プロ◯ェクトX的すぎるイメージなので、もう少し甘い香りを出すフィーリングで・・・きたきたきた〜!これですよ!僕が表現したかったものは!!僕の中の芸術が、今カメラを通して爆発したんです。先生、見てください!これが僕のパッションです!!
はい、ちょっと待とうか。君は行動分析学界の至宝である島宗理先生に対して、何をさせているわけ?めちゃくちゃ細かいわ。それで、島宗先生に要求したのは一体何のポーズなの?え?「警察に捕まった人」?もう一回言うけど、島宗先生に何させてるの?子どもって怖いもの知らずね。ヒヤヒヤするわ。
9月5日木曜日に、本校のカリキュラム開発を監修してくださっている、島宗理先生が授業を見学に来てくださいました。この日、低学年は写真を撮る練習をしていました。生活科の授業では、植物や生き物の写真を撮影する学習を頻繁に行いますが、写真の撮り方を学び、練習する機会を作っていませんでした。そこで、写真を「大きく」「画面の真ん中」で撮るという、2つのポイントを伝えて練習をしました。そして授業の最後に、「教室の中にある好きなものを撮ろう」という課題に取り組みました。
その時、島宗先生が教室にいらっしゃったため、B子さんが「理先生は撮って良いの?」と質問をしました。島宗先生が優しい笑顔で「良いですよ。」と言ってくださったので、課題開始後しばらくは、島宗先生の撮影会の様相を呈しました。しかも、ただ撮るだけではなく、「こんなポーズで良いの?」と子どもたちのオーダーに応えてポーズまで取ってくださる大サービス。これは、子どもたちがどのくらい動作の要求ができるかをアセスメントするという目的があったそうです。さらに、要求ができない子どもに対しては、「走る?」「飛ぶ?」とプロンプトを出してくださっていたのです。こうした声かけも、とても勉強になります。その結果、子どもたちの要求もどんどん細かくなっていき、最後には冒頭で紹介した「警察に捕まったところ」というポーズに辿り着きました。子どもたちは大喜びで、ただでさえ楽しい授業が更に楽しくなりました。島宗先生、本当にありがとうございました。
放課後、島宗先生から「分かりやすい写真を撮るだけではなく、何を主役にして写真を撮ったかをクイズにしてみたり、アートな写真を撮ったりする授業も面白いのでは。」というアドバイスをいただきました。そこで早速、アートな写真を撮影する授業に取り組んでみました。これが信じられないくらい面白かった。「アートな写真」と言葉で言ってもわからないので、事前に「アートな写真」の例をたくさん子どもたちに見せ、「こんな感じだよ」と感覚を伝えて撮影に取り組みました。窓から差し込む光を使う子ども、自分の体の一部を表現する子ども、同じ被写体を上から撮ったり、地面スレスレから見上げるように撮ったり(表紙の写真参照)・・・みんな本当に楽しそうに撮影に没頭していました。
無我夢中で写真撮影に取り組む子どもたち。それでも、「はい、終わりです。」と私が言ったら、全員が一瞬で切り替えて着席することができたところに、子どもたちの大きな大きな成長を感じます。
最後に、C男君が言ったすごく印象的な一言を紹介して、今週の学級便りを終わります。
C男君
「撮る前はこんなに上手に撮れると思わなかったけど、凄い上手に撮れたわ。楽しかった!」
以下、子どもたちが撮影した、アートな写真たちです。
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