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コミュ障のあれこれースーパーでは大人しくついていくはなし

私は料理が苦手です。


昔結婚していた頃は、料理を好きにならなければ、と思っていたので、「苦手」ということをあえて意識しないようにしていました。


しかし、苦手なものを「苦手」と言ってもいい、とわかってきてから、人にちゃんと伝えるようになりました。


今婚活中ですが(環境の変化により一時停止しています)、プロフィールには「料理は苦手」と書いて、料理好きな女性を求める男性が寄ってこないようアピールしています。


一応料理を好きになる努力はしてみました。野菜という物質を生み出してくれる母なる地球や、私たちの体を作ってくれる栄養が出来上がる生命のサイクルの神秘に対して「なんて美しく尊く有難いんだ」と感謝してみる、ということもやってみました。


そのような努力もして、「よし。私も料理が好き」とイメージして台所に立ちます。でも、水で洗って濡れた野菜を見ていると、なぜか絶望的な気持ちになるのです。


「これらをどうしよう。。」と考えてしまうのです。


洗ったから切って、炒める、あ、その前にフライパンを出して、油をひいて、味付けは、中華の味を入れて、塩はいつ入れるんだっけ。今入れたら水が出てきて。。


とあれこれ頭の中でぐるぐる考えながらなんとか作ります。昔はクックパッドを見ながら作っていましたが、料理というのは作業の工程が多くて、大変だな、といつも疲弊していました。


今回は、そんな料理嫌いの私に、料理が好きな彼氏ができた時のはなしを書こうと思います。


その彼は料理の仕事をしていたことがあり、自身も料理が好きなため、いろんなものを作ってくれました。私は大喜びで食べていました。


私にとって、もう一つ好きではないことがあります。スーパーに食材を買いに行くことです。食材を見て、「あれも作ろう」という想像ができないし、いろんなコーナーに置いてある調味料を探すだけで疲れてしまいます(元々買い物があまり得意ではありません)。


そこで、当時はいつもスーパーに行く時は彼に一緒に行ってもらって、ずーっと後をくっついて歩いていました。


「これに○○を入れてあれを作ろう」と言われれば、「へぇ~」と私は返事をします。

「○○作ったら食べる?」と言われれば「食べる!」と即答(食べれないものは食べれないと言います)。

「アイス買わなくていいの?」と言われれば喜んでアイスを取りに行きます(笑)


スーパーにいる時、私は何も考えず商品をぼーっと眺め、ただ後をついていき、そんな会話をしながら、私は心の中で「なーんて楽ちんなんだ!!」と大喜びしていました。


料理が好きな人は、頭の中でレシピを組み立てることが苦ではないようなのです。彼に「料理の何が楽しい?」と聞いた時、何を作ろうか、と考える時は結構楽しい、と言っていました。そして誰かに食べてもらうのも嬉しいそうです。


この関係性は、「料理は女がするもの」というそれまで持っていた私の偏見を壊してくれました。


キッチンで「今作るからちょっと待っててね」という彼を見て、内心「(え、本当にいいの?)」とドキドキしましたが、作ってる本人は楽しそうなのです。「お腹すいたー」と言ってみると(笑)、「あーちょっと待っててね~」と返事が返ってきて、それまた私は嬉しいのです。


そうか。得意な人がやればいいんだ。苦手な人はそれをありがたく受けとってもいいんだ。


生活は料理だけじゃないし、私は私ができることをやるという、私の価値観を苦痛に思わない人と一緒になればいいんだ、と考えるようになっていきました。


私はそれまでの環境の中で、「○○だから良い、悪い」だけで判断してきたことが多いですが、このように苦手なことを理解してもらえたという経験は、その後私が考える理想の人間関係の選択肢を大きく変えることになりました。


人間関係とは、完璧じゃない自分と他者との縁によって起こったことでだんだんと自分の望む在り方を認めるようになっていき、今度はその私で実際に新しいそれを味わってみたい、という願いを叶えてくれる、面白いツールだと思います。


私はコミュ障にプラスしてHSPという気質で、「相手に迷惑じゃないかな?」とすぐに不安になる癖があるので、その軽やかさを味わうためには、できるだけ正直になって勇気を出して相手に委ねる訓練が必要でした。実際に過去に何度も「他人に委ねてください」と言われてきました。そしてその「自分らしさ」を今楽しむために過去の「料理ができないとだめ」という一つの価値観がありました。


どうしても私は、今世で、自分という個性で、人と仲良くしたいという欲求があります。


人間は別々の個体で、価値観も違うしその時の気分も違うし相性もありますし、みんないつも誰とでも仲良く、という訳にはいかないかもしれませんが、自分が好き方へ行けば、自分が解放される人間関係を味わえると思っています。


苦手なことがある分、相手の愛を感じられるので、悪くないかもしれません。


お読みいただき、ありがとうございました。何かの参考になれたら嬉しいです。


sayaka


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