眠い夜、いい余韻に浸る。
『ブンガクフリマ 28ヨウ』を読み始めた。
田中泰延さんのフリーマーケットの解説から始まり、燃え殻さんの「わたしのしぶとい生命線」まで読んだ。
書き出しは、わたしの人生を一言で言えば、“間抜け“だ。から始まる。終わりも、“間抜け“で閉じられているけど、主人公は全然間抜けなんかじゃない。一人の女性のそうでしか生きられなかった人生の一幕の話だ。ちょうど、ビートたけしさんの『間抜けの構造』を読み進めていたので、書き出しに目を奪われて、スルスルと読み進めてしまった。
読んで思ったのは、一見優しいように見える、深く考えていない自分本位の優しさの罪深さだ。安直な返事の残酷さ。そういうところ、わたしにもあるから、読みながら罪を感じた。
自分でもどうしようもなく、流されてしまうことがる。軽く返事をして、守れない約束をしてしまうことがある。見積もりが甘さが人を傷つける。発言者はわかっていない。
物語に出てくるクズい男性との共通点を見つけてショックを受けていたら、主人公の女性がいつの間にか選んだ道を正解にすべく前を向いていた。
「わたしにとってはこの仕事は魂の再生に近かった」
この言葉が出てきたことに救われた気がした。そして、「わたしのしぶとい生命線」のタイトルが効いてくる。
今日の東京は35℃。暑くて、しんどくて、フラフラだった。疲れて眠い夜。いい物語を読ませてくれてありがとうと思った。
秋には干し芋を買って、12月までに新しい手帳を買いたいです。