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マーヴェリックのように使命を果たす

雨が多いですが涼しく過ごしやすい季節となっておりますが皆様いかがお過ごしでしょうか。
今日もヨガの哲学のお話から進めて参ります。

今から約2000年前に成立されたとされるヨガの根本経典「バガバットギーター」には私たちの生活をよりよくしていく賢者の教えが記されております。
その中から一説ご紹介いたします。

「自己のダルマを考慮しても慄くべきでない。ダルマに基づく戦いに勝るものはないから。」

このバガバットギーターは日本人はあまり知られておりませんが、国や国境を越えベストセラーとなった書物で、聖書やコーランの次によく読まれている叙事詩です。戦士であるアルジュナと神様であるクリシュナの2つの会話形式の叙事詩であり、戦士であるアルジュナは私たち人間の象徴として描かれており、神様であるクリシュナは私たちの目の前に広がっている世界を表しております。

またこの叙事詩の最大のテーマは「ダルマの遂行」がテーマとなっており、ダルマとは「義務」「使命」「私たちのやるべきこと」と意味付けされ、「私たちがやるべきことを全うしていく大切さ」が説かれております。

このバガバットギーターは王位継承戦争のお話であり、戦士であるアルジュナは従兄弟や古くからの友人を目の前にし、「どうして戦わなければならないのか」と苦悩しますが、ここでクリシュナは使命を全うしていくことについて説き、アルジュナを励ましていくのです。

私たちもアルジュナのように、自分の使命、やるべきこと、例えば仕事や、家事、育児など、楽しいことばかりではなく、時に辛く、どうしてこんなことをやらなければならないのか、と嘆いてしまう時があります。ダルマは必ずしも自分のやりたいこととは限らず、自分のやるべきことを全うしていくことで私たちの人生の扉は大きく広がっていくのです。

ですのでこの一説は自分の使命に慄くべきではなく、その使命を全うしていくことこそが人生を光へ導いてくれる道だと教えてくれている一説となります。

私のお話になるのですが、私はヨガのインストラクターとして活動する前はホテルのレストランの正社員として仕事をしておりまして、今も週に1、2日ほどお手伝いに行っております。
そのホテルはシティーホテルで300室ある大きなホテルでそのバックヤードも広く導線が複雑になっております。私の仕事は朝から夕方までのシフトで、ランチの営業時間までの準備とそのランチ営業、そしてその片付けまでが仕事としてアサインされており、レストランのオープンまではワンオペで準備をしていきます。
お茶を作ったり、テーブルセット、予約の確認や印刷までスムーズにこなせればオープン前にはピッタリと仕事を終わらすことができます。

ある日、いつも通り出勤し、朝食を食べてるお客様でまだレストランがいっぱいになっており、その間にお茶を作る準備をしようと、出勤早々、蛇口からお湯を出しているときに、お客様に声をかけられ、ランチタイムの予約をしたいとおっしゃっていたので、まだ出勤したばかりでパソコンが置いてあるデスクに移動します。
しかし出勤早々でしたので立ち上げに時間がかかってしまいました。
けれどもお客様はとても優しく待っていただいたのですが、やはり立ち上げに時間がかかるので「お部屋に電話する」ということでお話を終えました。
気がつけば、蛇口からのお湯が出しっぱなしになっており、慌ててキッチンに戻ると案の定、ポットからお湯がドバドバと流れ出ており、慌てて止めお茶の準備に取り掛かります。
そうしているうちに、今度は、キッチンのスタッフに声をかけられ、予約状況が増えたかどうか確認してほしいと言われ、「自分でパソコンを見たらいいのに、、」
と半分苛立ちながらパソコンに戻り予約を確認しようとしました。
すると途端に電話が鳴り、今度はレストラン予約の方からで別の予約の件に関して質問を受けることになります。こちらとやら急いでいるのですが、相手はゆっくりな口調で話するのですが、自分が早口になるのも抑えられずペラペラと話してしまい、要件を話終え電話を切りました。そしてようやくキッチンスタッフに予約状況を説明し、やっと準備ができるかと思えば今度はトイレに行きたくなります。しかも大の方・・。生理現象は我慢してはいけない!と複雑な導線を抜けて急いでトイレに駆け込み、トイレから出て、今度はランチのご予約希望のお客様にまた電話を掛け直し、ご予約がいっぱいだったので謝ることになります。。そしてようやく準備をしようと今日の予約を見たら、ケーキのテイクアウトがあるお客様がいたのです。内容を確認すると、11時のレストランオープン前にお客様がケーキを取りに来られるという予定となっており、ケーキを作っているペストリーへケーキを取りに行く時間が10:30。時計を見るともう時間が間近に迫っており、急いでできる準備を終わらせ、今いるレストランが28階。そしてペストリーはB1だったのでエレベーターに飛び乗ります。

エレベーターに乗っている間「なんで今日はこんなにバタバタしてるんだろう」「なんか今日は運が悪いかな」と半分イライラ、半分悲しい気持ちが込み上げてきました。いつもだったらこんなにバタバタせずにスムーズに仕事をこなせるのにな、今日に限ってこんなことになるなぁと思っていたとき、
先週Netflixでみた「トップガンマーベリック」の映像が蘇ってきたのです。

トップガンマーベリックはみなさん、観たかたもいらっしゃると思いますが、アメリカの海軍エリート集団トップガンのトムクルーズが演じるマーヴェリックが極秘ミッションを達成するため、教え子たちを教育していきます。
「もう犠牲を出したくない。。」「誰も失いたくない」と苦悩し自分の使命の大きさに慄くのですが、周りの親友や恋人に励まされ、教え子と共にミッションをクリアしていくのです。山あり谷ありの息を呑むシーンがたくさん出てくるのですが、この大きなミッションを教え子と共にクリアしてく姿に世界中の人が感動したはずです。

その映像を思い出した時、「そうだ、マーベリックは生きるか死ぬかのミッションに挑戦した!そして私は死ぬわけでもない!こんな自分の役割なんて簡単にこなしてみせる!」と自分を奮い立たせることができたのです。

エレベーターをおり、急いでペストリーへむかいケーキをピックアップしたら一目散でレストランに戻りテーブルセット、ドリンクの準備、予約表の印刷や現金のピックアップまで一通りあくせくしながら準備を終わらすことができたのです。

ようやく次の出勤のスタッフが来る頃には落ち着き、レストランがオープンした時にはスタッフがたくさんいたのでむしろ営業前が一番忙しかったのではと思うほどでした。
1人汗だくになり、他のスタッフは涼しい顔をして出勤してきたため思わず「さっきまでめちゃくちゃ忙しかったのに!」と言いたくなるほどでした笑

けれども、こうして営業時間に全ての準備を終わらせ、スムーズにレストランをオープンできたのもあの時、私がマーヴェリックのようにギアを入れ、自分の使命を果たす覚悟ができたからだと思うのです。もし私があの時自分の使命を忘れ、嘆き、諦めていたらどうなっていたでしょう。スタッフやお客様に迷惑をかけ、スムーズに営業ができなかったでしょう。

私たちは、日常生活の中で仕事でも育児でも家事でも自分の使命、やるべきことがあって、その使命が大きく、そして何かの障害が目の前に立ちはだかった時、慄き、歩みを止めてしまいそうになる時があります。

けれどもその自分の使命をもう一度思い出し、思い切ってその弱さを断ち切っていくことができた時、もう一度踏み出し前進していくことができるはずです。

まるで大きな抵抗にも負けず大空へ飛び立ち、自由に飛行機を操るパイロットのように、私たちも自らの使命を全うし、大きく飛び立ち、人生の扉を開いていくことにしましょう!

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