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リズム感0が導いた美しいダンスの世界

こんにちは!ヨガインストラクターの吉田紗弥です。

昨日は大きな満月がみられました。
皆さんはお月見されましたか?

今日もヨガのお話から入っていきます。
今から約2000年前に成立されたとされるヨガの根本経典「バガバットギーター」には私たちの生活をより良くしていくための賢者の教えが記されております。
その中から一説ご紹介いたします。

「アルジュナよ、全ての時においてヨーガに専心したものであれ」

まずこのバガバットギーターという書物は国や宗教を超えて世界でたくさんの人に読まれている叙事詩になります。
この物語は戦士であるアルジュナと神様であるクリシュナの2つの会話形式となっておりアルジュナは私達人間の象徴として書かれており、クリシュナは私たちの目の前に広がっている全ての世界を表します。

そしてこの一説の「ヨーガ」という言葉。みなさんがいつも実践しているヨガ。
今改めてここでヨーガについて説明したいと思います。
ヨーガとは元々馬と馬車をつなぐ軛(くびき)という道具からきています。それが「結合、つながり」という意味になってきたのです。

ではここで私達が日常生活で「つながる、つながり」というシチュエーションはどんなものがあるでしょうか?

「手を繋ぐ」
「インターネットがつながる」
「電話をつなぐ」
「血が繋がっている」
「タスキを繋ぐ」
「ご縁がつながる」

このようにたくさんつなぐというシチュエーションが日常生活に溢れているのがわかります。
そしてこの繋ぐというシチュエーションがなくなってしまったらどうでしょうか?

「手を切る」
「電話が繋がらない」
「血が繋がっていない」
「タスキがつながらない」
「ご縁がきれる」

繋ぐというシチュエーションがなくなってしまうと私たちは悲しい気持ちが湧いたり、孤独感を感じたりするでしょう。
私たちはどんな時もにこの「つながり」を広げていくことで日常生活が豊かになっていくのです。
ですので「ヨーガ」とは大抵フィットネスやスポーツで使われていますが、実際には繋がりを作っていく作業であり、つまり経験を広げていく行いと言えるのです。

ですのでこの一説はどんな時もまだ見ることの無かった、経験したことのない世界とつながりを築き、可能性を広げていくことで私たちは豊かな人生を送っていくことができると教えてくれている一説だと言えます。

私の話になるのですが、私自身、ヨガインストラクターとして活動をしておりますが、この活動を続けていると、バレエやダンスも経験したことのあるインストラクターも周りに多く、多彩な才能に「すごいなぁ」と思っていました。私は学生の頃は吹奏楽部でしたが音楽は好きでも実際にリズムに合わせて踊るという経験はありませんでした。しかしここ最近ticktokなどで簡単なダンスが流行っており、姪っ子もバレエを習ったりダンスをすることも好きみたいで、私自身もダンスに興味が少しずつではありますが湧いてきました。

けれどもリズム感も全くなく、体をリズムに合わせて素早く足と手を別の動きをするなど高度なテクニックが必要だと思っており、生まれ故郷の有名な阿波踊りも見るだけで、「踊れる?」と聞かれても見よう見まねでぎこちない動きをつけるだけとなっていました。ある日はテレビのバラエティ番組の「アメトーク」で「踊りたくない芸人」というテーマでダンスを踊っているのですが、試しに1人でこそっと踊ってみるものの、音楽についていけず、自分の身体の動きの鈍さにほとほと飽きれダンスは無理だなと諦めていました。

そう思って過ごしていた日、ヨガスタジオで「アルゼンチンタンゴ」を教えているという方とお会いすることができ、タンゴについていろいろお話を聞く機会がありました。タンゴというと、情熱的でセクシーで激しいダンスのイメージがありましたが、彼女が言うには、アルゼンチンタンゴは高齢の90代の方でも参加しており、初心者でも気軽に踊ることができると言うのです。
そして今体験レッスンもやっているのでぜひ参加ください、とおっしゃっていただいたのです。90歳の方でも踊ることができると言うアルゼンチンタンゴとは一体どういうものなんだろう?ダンスができないけどもしかしたらこれは私でもできるかもしれない!と少しずつ興味が湧き始めました。

そしてヨガの実践者は経験を積むことだと偉そうにいう自分が、まず新しい経験をしてみなければと思ったのでした。けれども1人で行くのもなんだか緊張する、と思い、同じインストラクターの友人を誘ってみたのです。彼女もダンスは踊ったことがなく「これも経験だよね!」と一緒にいく約束をしたのでした。

そしてその体験の日の当日、持ち物など何が必要なのかを聞くと「パンプスもしくはローファー」と「膝丈のスカート」ということでした。
パンプスも普段ヨガをしている身としてはほぼ履かず、クローゼットの奥から引っ張り出し、また膝丈のスカートなどもほぼ履くことがなかったので探し回り、やっと見つけたのが20代に履いていたワンプースでした。準備万端にしていたのは良かったのですが、突然一緒に行く友人から連絡があり「バスケで腰を痛めて歩くのも辛いから申し訳ないんだけどキャンセルしたい」ということなのです!!

「え〜〜!!!」と思ったのですが、誘っていただいた方は鍼灸師でしたので同じ場所で診療もできるとのことだったので彼女は診療&見学で参加という流れになりました。(だいぶ安堵したのを覚えています)

場所が池袋の方でしたが、向かう道のり、不安と楽しみが入り混じる気持ちで向かいました。いよいよ場所に着くと、そこは異国情緒あふれる空間で、アルゼンチンの国旗やさまざまなアンティーク、またたくさんのタンゴで使われていたであろうキラキラしたシューズなどが並び、煌びやかな衣装と、家具などが並んでいました。

出迎えてくれた方はそのヨガで知り合った方とダンディーなアルゼンチンの男性で日本語が流暢で温かく迎えてくれました。
着替えを済ますと、マテ茶(南米で有名なお茶)を出していただき、同じく参加していたご婦人とお話をしていたのですが、皆様品のある方ばかりで、歳を重ねたらデヴィ夫人みたいな素敵な方になるんだろうなという雰囲気です。タイトでセクシーなスカートとキラキラしてるヒールの高いパンプスを履き、そのアルゼンチンの先生としなやかに踊っていました。
そしてこのアルゼンチンタンゴでは自分の名前とは別に名前をつけるそうでお互い「マリア」「セリーナ」「デリア」などで呼び合い、そのおしゃれ空間にドギマギしてしまいました。

確かに彼女がいうほど激しくなく、優しそうな動きではあるものの、ヒールを履いてのしなやかな足の動きを目で追っても真似できるような感じではありません。
基本のステップから始めていくのですが、やったことのない動きを繰り返すだけでも頭がいっぱいいっぱいになりついていくのに必死です。
そしてダンディーなアルゼンチン人の先生と踊るのですが「もっとリラックス〜」と言われつつも、全く身体がリラックスできず、音楽もほぼ耳に入ってこない状態です。

しかしゆっくりではありますが、少しずつ少しずつステップが踏めるようになってきたのです。実践していく中で先生たちが「間違ってもいいからやってみよう」「できるできないより、やるかやらないかだよ」と言っていただきちょっとずつコツをつかんでいったのです。できるようになると楽しさが増し、音楽も次第に耳に入るようになってきました。

そしてあっという間に時間が過ぎて体験会は終了となりました。他の方々は私よりも年配の方々が多く応用のステップで練習していましたが、美しく、妖艶で色気のある姿に「私もこういう風に歳を重ねたいな」と思えたいい経験でした。何歳になってもパンプスや短いスカートを履いて楽しく踊っている姿に元気も出ましたし、タンゴという固定観念に縛られていた自分にも気づくことができ、新しい世界の扉を開いた気持ちになりました。

私たちは、日常生活の中で目の前に差し出されている新たな世界とつながることなく過ごしてしまう時があります。けれども大きな可能性を信じて前に向いて新たな扉を開いた時、大きな自信と達成感を得ることができるはずです。

まるで夢と希望を持って華麗に踊るダンサーのように、目の前の世界と繋がりを築き、自分自身の可能性を広げていきましょう!



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