韓ドラ『39歳』の意味
Netflixで韓ドラ『39歳』を見た。
大好きなドラマ『愛の不時着』のヒロイン、ソン・イェジンが主人公のドラマだ。
『愛の不時着』以外の彼女のドラマを見たことがなかったので、見ることにした。
①なぜ『39歳』?
よくある恋愛絡みの仲良し女子3人組のドラマだろうと見始めた。
それにしては『39歳』ってちょっと歳とり過ぎでは?せめて『35歳』とか?
しかしその年齢の意味がすぐにわかった。
今はクリニックの医長を務め、何不自由ない裕福な家庭に育ったと思われたミジョ(ソン・イェジン)は、実母勾留のために児童養護施設で育ち、義父母にひきとられた経緯を持つ。
彼女は高校生の時にチャニョン(チョン・ミド)とジュヒ(キム・ジヒョン)と出会い、20年たった今も家族同然の親友だ。
これからもいっしょに年を重ねていくと思っていた3人に、突然降りかかった運命のいたずら。
チャニョンに余命わずかのすい臓癌という信じられない診断が下されたのだ。
このドラマの題名『39歳』の意味がわかった。
②若くして逝ってしまった友達のこと
私の高校時代の親友のひとりが、
39歳の若さで亡くなった。
病名は肺腺腫、肺がんの一種だ。
彼女は喫煙もしていないし、家族やご主人も喫煙者ではなかった。
体格も良く、身長170cmで体重は教えてくれなかったが、大柄だった。
高校生の時は私と同じ水泳部だったが、その体格からバレーかバスケットボールの選手とよく間違われるくらい。性格もとても明るかった。
病気とは無縁の見た目だったので、最初病名を聞いた時は治療すればすぐに完治するものと信じていた。
治療中にも何度か会ったが、いつも朗らかで前向きで、落ち込んでいる様子を見たことがなかった。
「抗がん剤治療でガリガリに痩せることを楽しみにしてたのに、ごはん美味しいし全然痩せへんねん!なんでー??」とも言っていた。
けれども彼女の父親も同じ病気で亡くなっているので、今思えば覚悟はできていたのかもしれない。
③本人は冷静でまわりを気づかう
ドラマの中のチャニョンもとても冷静だった。
心配するからと両親を気づかい、いつまでも報告できない。
両親のお店をリフォームしたり、自分のお墓まで用意する。
親友達は自分がいなくなった後、ちゃんと恋愛をして幸せになれるかを心配する。
私の友人も療養中に身の回りの一切の世話をしてくれた叔母さんに、「こんなに世話になったから叔母さんの看取りは私がするから心配せんときや!」と言っていたそうだ。
④大好きな人達と最期まで過ごす
闘病中は親友3人が寄り添い、最後にはそれぞれの恋人達が加わって6人で幸せな思い出の日々を過ごす。
⑤後悔
友人の闘病中、京都からの帰り道に遠くに見えた奈良若草山の山焼きの炎を見て、なんとなく今、友人が亡くなった気がした。
その後、彼女の母親から友人の訃報を頂いた。
私はとても友人に寄り添っていたとは言えない。
仕事、子育て、親の介護。
いろんなことを差し引いてももっと彼女のためにできたことがあったんじゃないかと、このドラマを見て改めてひどく後悔した。
誰との別れであれ、お見送りの後は後悔しかないのかもしれないが、せめてひとつでもその人との楽しい思い出を作ってからお別れしたい。
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