映画レビュー『ザ・フライ』
・最初に
今回の映画は―
『ザ・フライ』(1986年)
本作は、1958年に公開された映画『ハエ男の恐怖』のリメイク作品。
監督は『スキャナーズ』、『ヴィデオドローム』のデヴィッド・クローネンバーグ。
こちらも以前、とあるフォロワーさんが紹介してくださり、今回 視聴したのでレビューしていく。
※ネタバレあり。未見の人は注意。
・良かった点
◎ストーリー
クリス・ウェイラス(『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』、『グレムリン』など)による特殊メイクを駆使して、グロテスクなハエ男へと変身する科学者の姿を描く本作は、ただのホラー映画ではない。
徐々に人ならざるもの へと変身していく主人公セスと、姿形が変わり果てても彼を想い続けるヒロイン ヴェロニカの悲しい愛の物語でもあるのだ。
◎主演俳優の名演技
主人公のセスを演じたのはジェフ・ゴールドブラム(『ジュラシック・パーク』、『インデペンデンス・デイ』など)。彼の演技もまた、本作の魅力の一つだ。
自身の研究に情熱を注ぐ「人間」セス。
ハエと融合して、体と共に精神を崩壊させていく「ハエ男」セス。
それでもヴェロニカを愛し続ける「ハエ男の見た目と人間の心を持った」セス。
これら複数の人格の演じ分けが、実に見事だ。
・悪い点
×グロ描写
本作には「皮膚がただれる」、「爪が剥がれる」といった場面が多い。グロ描写はクローネンバーグ作品の魅力の一つだが、それが逆に見る人を選んでしまう。
×ラスト
物語はヴェロニカがセスを殺す ところで幕を閉じるが、「彼女がセスの子供を産むか、否か」という問題が解決していない。一応 続編『ザ・フライ2 二世誕生』では、彼女と子供の その後が描かれるが、できれば本作の中で答えを描いて欲しかったなと個人的には思った。
・総評
改めて書くが、本作は ただのホラー映画ではない。
科学の力によってハエ男へと変身していく科学者と、恋人が変わり果てても愛し続けるヒロインの悲しいラブストーリーでもあるのだ。
グロ描写があるので人を選ぶが、それでも一度は見てもらいたい作品だ。
以上が『ザ・フライ』のレビューである。
・引用、参考、作品情報元
イメージ詩はこちら(↑)。
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