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阿蘇の三社参り

 風雪の草千里を歩む。
 中々に珍奇な体験で。
 その足で向かったのは阿蘇神社。
 熊本地震によって半壊して、胸の痛む思いがしました。既に新しい楼門が建立されているとは風聞で伝わってきたけれど。再訪するのは初めてでした。
 二層楼山門式というこの門は九州でも最大級のもので。流石は全国に500社あるという阿蘇神社の総本山です。

古色溢れる建立でよかった

 隆々たる楼門に相応しい構え。
 内部構造も耐震性が高まっているんでしょうね。
 それでも長い歴史を感じさせる古色蒼然の佇まいで安心しました。かつての建材の7割を再利用し、8年間もの手間をかけたものだそうです。そう言えばかつてはぴんと跳ねた大屋根に埃が積もっていましたが、すっきりさっぱりと祓われたようです。
 その左右を固めている柵も、真新しい社務所がいかにも新建材でしたけど。
 境内には縁結びの高砂の松がありまして。
 ええ、ええ。私も左周りで2周しましたよ。

後光も差しているような石段

 続きまして、上色見熊野座神社です。
 伊邪那岐命、伊邪那美命、石君大将軍を祀っているそうですが、参道がいかにも険しく長い。修験者のためにあるような、残雪の積んだ石段を踏み締めながら登りました。左右には参拝者を睥睨するような灯籠が並んでいます。
 神殿の背後にはさらに道が続き、急斜面を登った場所に穿戸岩があります。この周辺は砂岩の砕けた砂地で、凍結した箇所もあって。大層滑りやすく、私も尻餅をつきました。
 この大風穴は、健磐竜命の従者鬼八法師が蹴破ったとか。
 山頂の巨石に不自然な大穴なのでそんな伝説が生まれたのでしょうね。そこには天岩戸神社の賽の河原のように、小さな石積みがありました。
 どんな困難も突破できるというご利益があるそうです。

穿戸岩の大風穴
可愛い石積み

 午後からは白川水源を訪問しました。
 阿蘇火山カルデラの地下水がここで湧出して、毎分60tの水量があるそうです。そしてこの世界的にも珍奇な、カルデラ火口内で人間の営みを充してくれる白川として滔々と流れているのです。
 この水源には明治に再建された社殿があります。
 そこには子安観世音及び馬頭観音が祀られ、水源を臨む境内には水神も祀られていました。

美しい水面


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