アフリカの風土とドゴン族の建築|今日の1冊#024
Architektur der Dogon
アフリカ西部内陸の国、マリ。そのマリのニジェール川流域に住む先住民族がドゴン族です。
本書は彼らのコミュニティー、建築、暮らしについてユネスコが1995年〜1997年に調査した際に撮影した写真、手描きの実測図、水彩画をまとめた貴重な出版物です。
ドゴン族は世界遺産にもなっているバンディアガラの断崖と呼ばれる絶壁に土造の家を建て暮らしています。彼ら特有の西アフリカ文化と建築に関する報告がヨーロッパに届いたのは、20世紀初頭になってからでした。
1989年以来ユネスコの世界遺産に登録されています。何世紀にもわたり受け継がれてきた地域の伝統的な建築は、非常に機能的、経済的、生態学的で、美的であり、その土地の気候風土によく適応しています。この伝統的な家づくりの技術が持続可能なものづくり、地域固有の風土に繋がっていると感じます。
家屋などもヒューマンスケールでつくられ、集落には現代人が忘れかけたコミュニティーも存在しています。
近代以降の直線的、工学的な偏った思考に一石投じる本かもしれません。