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「薔薇のことづけ-秋田和徳のデザイン-」と渋谷のちょっとした思い出

薔薇のことづけ-秋田和徳のデザイン-
渋谷HMV2F、 Bankrobber LABOにて11/12まで開催されていました。

秋田和徳さん
…以下引用…
グラフィックデザイナー/アートディレクター。
BUCK-TICKや清春をはじめ、サッズ、黒夢、オート・モッド、カリ≠ガリ、メリー、ストロベリー・フィールズ、松尾清憲、福山芳樹、血と雫、Z.O.A、PIG、THE MORTAL、MORRIEといったアーティストのCDジャケットや広告、グッズデザインのほか、ザ・ビートルズの公式カレンダー、ルー・リードやクーラ・シェイカーの来日公演ポスターなど音楽関連のグラフィックを中心に、楠本まき、池田理代子、鳩山郁子、梅津瑞樹のブックデザインなども手掛ける。
…引用ここまで…
秋田さんの公式Instagramはこちら▼

SNSで写真が多数あがっていたのを見て、あっちゃんにちなむものがあるのならやはり見ておかねば!と行くことにした。
が!
会期めちゃくちゃ短い!短すぎるよぅぅぅ。
しかも週末は予定が既に入っている。平日しか行くタイミングがない…ええい、もう休むか!
というわけで、ある平日の午前中に行ってきました。

大都会、渋谷。電車も道も複雑すぎてうまく歩けない
渋谷駅から徒歩10分少々、HMV入口。CDではなくレコード屋さんだった
階段を上がる途中にあるポスター

入口に続く階段から「さよならシェルター」が聴こえてきて、それだけでもう、”うはぁぁぁぁぁ😭”。思いがけずこんな優しい曲で迎えられると、まだなんにも見ていないのにすでにぐっとくる。

暖簾をくぐるというのが粋

かっこいい暖簾の奥、6〜8畳くらいの狭いスペースに展示物がぎっしり。
撮影で使った小道具や試作段階の印刷物やポスター。正式なジャケットとは色違いのアルバムジャケットの絵。ひとつひとつじっくり見てしまうので、なかなか前に進めない。
「RAZZLE DAZZLE」の宇野亜喜良さんのジャケットの色違いで、全体がピンクのバージョンも展示されていた。桜色が素敵でした。

この鏡がけっこう映り込みやすかった
ビートルズ。この時代にこれほどに
ポップでサイケ。すごい。

部屋の奥はこんな感じ。
いちばん上にあるものは、「魅世物小屋が暮れてから」の裏ジャケで櫻井さんが持っていた鞭になります。

テーブルの上にもいろいろとカセットやCDなどが。ボアダムスとか入ってるやん、と見ていくと…
アーーーーー!!櫻井さんのドロップ缶ー!

なんかアレかなと思ってぼかしてあります

ネットではよく見かけていたけど、実物初めて見た!
シールのサクライってフォント、むちゃくちゃかわいいじゃないか…
持ち逃げしたくなるのをグッと抑えて、引きの写真を撮ります。あまり長い間このカンカンの近くにいてはいけない気がする。

椅子は「Romance」のポスターで櫻井さんが座っていたもの。
座っても良かったらしいのですが、私が伺った時はひっきりなしに人がいる状態で…。そこで座れる心の強さもなく。
せめて間接的にあっちゃんの尻にタッチでも…キャー!と、座面をお触りしてきました。
この周辺は何か、人を狂わせるものが発せられている。浮き足立っていて、すみません。

座面がかなり低い
この椅子です

部屋の中央、上の方で威圧感を放っていたのがTHE MORTAL。かっこいいですね……もう何も言葉を出させない。そこが地獄でも天国です。

下の方でちっちゃくも目立つ、異彩を放っていたのはこちら。
アニィヘアーの寿なやつ。
当て字の選び方、好きです。

入場無料なのがかえって恐縮するくらい、濃密な内容の展示でした。もっと会場広くてもよかったのに、もっといろいろ見たい!と思った。クリアファイルがすごく好きな感じだったので買い。チケット代がわりというにはこれも安いけど。

クリアファイル。
裏面が今井さん風なのがお気に入り

私が会場の中にいる時は、「異空」がBGMで流れていた。
来るタイミングによって、いろいろなアルバムがかかっていたようだ。「十三階は月光」とか流れていても気分が上がったかもしれない。

会場を出て、レジ横に置いてあったファイル2冊。このファイルの中にも製作段階の資料がギッチギチに詰まっていて、見るのにけっこうな時間を要した。
ページめくっていって突如出てきたのは、

「冥王星で死ね」

来月発売されるBUCK-TICKのアルバム、「スブロサ」に入っている1曲、そのタイトルです。
いきなり出てきた感じがすごくて、思わず息を飲み固まってしまった。シンプルな鉛筆書きでラフな感じで何度も書かれており、文字のハネ具合とかが少しずつ違う。字だけなので、逆にインパクトがあった。
これどんな風に出来上がったんだろう。音以外の面でも次のアルバムが楽しみになる。

そして、2冊目に見たファイルの最後には、

ATSUSHI SAKURAI
"おやすみなさい"

と、ありました…。よく覚えていないけど写真も載ってたかな…。
同じ人に対しての他の人の悲しみ・痛みに触れるのは、自分のそれとはまた違った感覚でとても胸が痛みます。

私のような実際に会ったことのない人間ですら何かしらダメージを受けているのに、長い間仕事を共にしてきた間柄、櫻井さんの近くにいた人たちの悲しみや痛みはとても想像できない。堪えがたいし、何もできない。それでも時間は過ぎてしまうし、毎日生活していかなければならない。
運命とか人生とか、本当に残酷だ。

わくわくしたりチクチクしたりでファイルも見終わって、気が付けばQUANTUM II(異空の最後の曲)も流れ終わり、さて帰ろうかと思ったら流れ来たのは「太陽とイカロス」。
私が好きな曲で送り迎えしていただけるなんて…と、勘違いさせていただきながら最後まで聴いて会場をあとにしました。


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最後に、個人的な渋谷の思い出話。
今回お邪魔したHMV Bankrobber LABOは、Organ Bar(オルガン・バー)の近くにありまして。
Organ Barとは、私が青木さん(スカパラ)のDJを最後に見たクラブ。25年前に一度だけ中に入ったことがある。

新宿OTOよりも三宿Webよりも、青木さんの雰囲気に合っていたような気がする。青木DJは数えるほどしか見たことがないのだけど、ここがいちばん印象に残っている。SKA JARKのリミックスとか、ジャッキー・ミトゥとかかけてくれたんだよな。

そんな思い出のあるOrgan Bar。まだ営業しているみたいだったので、立ち寄って外観だけ見てきた。

おおお………

まだ全フロア現役バリバリで使ってるようだ。当時は夜行ったからわからなかったけど、なかなかぼろい。倒壊しないか心配になるくらいボロい。きっと当時からそこそこボロボロだったのだろう。そして、クラブというとなんとなく地下というイメージがあったけど、まさかの3F。エー!

スケジュールもいっぱい入っている

当時のオルガン・バーは、中は真っ暗。ひたすら闇。DJ中の青木さんの顔もよくわからないくらい暗かった。暗すぎてフロアも全く見えないので、中を移動すると人にぶつかりそうで動けなかったのを覚えている。でも、バーカウンターとフロアが区切られていて、DJフロアの闇がかえって落ち着く、音楽に没頭できる好きな場所だった。

中の様子は分かりませんが、今年29周年なんですね!スケジュールには、須永辰緒さんとか知っている名前もあってちょっと嬉しくなりました。

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