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使命感

ある程度大きな会社で仕事をしていると、非常に仕事ができる人と巡り会うことがある。もちろん小さな会社でも仕事のできる人はいるのだが、大きな会社は人数が多いだけに、必然的に仕事ができる人の人数も多くなるので、何人もの仕事のできる人に巡り会うということだ。

僕はもともと仕事のできない方のダメ社員だったので、そんなバリバリと仕事をこなす人たちを見て、「すごいなぁ、この人」とか、「なんであんなに仕事ができるんだろう?」とか、「何が自分と違うのだろう?」とかそんなことを考えながら会社生活を送ってきた。

そんないろんなことの中で、よく考えたことは、「なんでこの人たちはそんなに仕事を頑張るんだろう?」というものがある。

もちろん仕事はちゃんとやれば結構面白いものだし、真面目に仕事に取り組むというのは、会社員としてはある意味当たり前のことである。でも、所詮はみんなサラリーマンであり、どれほど頑張っても数億円規模の驚くほど高額な給料をもらえるわけでもないし、どこかで「まぁ、このくらいでいいか」みたいな感じで力を抜く部分があるものだと思う。

でも、仕事のできる人たちに中には、そういった脱力モードみたいなものなどまるで存在せず、常に全力で仕事をこなしていく人たちがいる。そんな人たちを見ると、「なんでこの人たちはそんなに仕事を頑張るんだろう?」という素朴な疑問が湧いてくるのだ。

だから僕はそんな人たちを見ると、つい聞いてしまうことがある。「なんでそんなに頑張れるんですか?」とか、「そこまで仕事に真っ直ぐに向き合える理由はなんですか?」とか聞きたくなってしまうのだ。

自分自身でその理由を明確に説明できない人も結構いたりするのだが、中にはキッパリとその理由を言葉にしてくれる相手もいる。そんな中で「なかなか素敵だな」と思った答えは、「使命感だな」というものだった。

使命感? これって「なんでそんなに頑張れるんですか?」という質問に対して、本当に答えになっているんだろうか? そんな風に僕は思ってしまったりするのだが、その答えを聞いた時の僕の感想としては、「なかなか素敵だな」という感じだった。

仕事を頑張るということに、使命感を感じているということなわけだが、頑張ること自体に使命感を持つなんてことが本当にあるのだろうか?

まぁ、当の本人がそういっているのだから、間違いではないのだろうが、僕にはなんとなく腑に落ちない。何かに対して使命感があるから仕事を頑張れるというのであれば理解できるのだが、仕事そのものに使命感を持っているというのは、なんだか論理が飛躍してしまっているように僕には感じられるのだ。

でも、その答えは「お、かっこいいじゃん、それ」という風に僕には感じられ、それ以後彼を見る目が少し変わったという感じがした。

使命感で仕事を頑張れる男。

これってなんだかちょっとかっこいいと思ってしまうのだ。

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