格ゲーも人生も手癖でできている


手癖とは?

頭では何かを考えているのに、体が反射的に動いてしまうこと。

特に格闘ゲームにおいては、いかに素早く自分の動きをゲームに反映させるかが大事です。この「手癖」は、良い方向にも悪い方向にも働くことがあります。

格ゲーで「やったほうがいい手癖」の例としては、以下のようなものがあります。

  • 対空を取る

  • 相手の技が空振りしたらボタンを押す

  • パリィが見えたら投げを押す

これらの行動は、時には間に合わず逆に痛い目に遭うこともありますが、基本的には「やったほうがいい行動」に分類されます。

逆にやってはいけない手癖とは何だと思いますか…?

それは「相手に対応されうる行動」でそれが癖になっていること。ではないかと思っています。

少し抽象的ですが、相手に対処されやすい行動に依存すると、勝利が安定しにくい傾向があります。

例えば、以下のような癖がついている場合:
・画面端でインパクト
・ラッシュ通常技
・飛び攻撃

これらが癖になっていると、100%ではないにせよ、画面端で相手が警戒していたらインパクト返しされるし、ラッシュや飛びが多い場合も対応されやすくなります。

上手いプレイヤー、上級者はこれらの行動を分散させ、相手の意識を混乱させています。そのため、上記の行動にも何らかの根拠があるのです。

一見リスクの少ない通常技の立ち回りでも、上手い相手に技の空振りを見せてしまうと、芸術的な反撃を食らうことがあります。

また、「ちょい歩き→中足」なども、実は一定のタイミングでボタンを押していると、相手にお仕置きされることもあります。

「じゃあ、何もできないじゃん!」と思うかもしれませんが、この無意識に手が先に動いてしまう状況を意識的に排除していくことが、格ゲーの難しさなのです。

なぜ手癖をしてしまう?

それは過去の報酬(ダメージを取れたこと)が影響しています。

「あれ、この行動やっておけば勝てるじゃん」と無意識に身体が覚えてしまうのです。

ここで紹介したいのが、「オペラント条件付け」という心理学の用語です。

オペランド条件付けとは?
とは、報酬や嫌悪刺激(罰)に適応して、自発的にある行動を行うように、学習することである。行動主義心理学の基本的な理論である。

つまり、生物は学習によって、報酬がもらえる行動を強化(増やし)、罰を与えられる行動を弱化(減らす)ということです。

そのため、「なんかダメージ取れてる」といった行動は強化されてしまいます。あるランク帯で通用していた行動(例:百貫落とし)は、勝てる行動として学習されてしまうのです。

自分のいる環境(ランク帯)で通用する行動が変わってくるため、「これで勝てていたのに!」とストレスがたまるかもしれません。

人生でも手癖で行動してしまう

さて、格ゲーを例にしましたが、人生というフィールドにおいてもこの手癖はしばしば見受けれます。

・パチンコで脳汁を出したから、またパチンコをうちに行く

・お酒を飲んで気持ちよくなったから、またお酒を飲む

などなど。一度味をしめてしまうと、良くない行動だとわかっていても、それが強化されてしまうのです。

自分が「勝ちパターン」だと思っていることが、自分の望む方向に進んでいれば良いのですが、なりたくない方向に進むこともあり得るので、非常に怖いものです。

変化できる人が最強


格ゲーでも人生でも環境ごとに変化をできる人、それを受け入れることができる人が結局強いんじゃないかと。

少し前まで通用していたことがダメになったとき、手癖を変えることができるか。変化するために新しいことを試せるか。

自分を変え続けることができる人こそ最強なんです。
そう言いつつも、私は今日もリリーでギロチン(しゃがみ強P)を擦り続けます。






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