2025年の月面X🌓

上弦の月（半月）の頃に月の明るい部分と暗い部分の境目のところに、アルファベットのエックスの文字が浮かび上がる現象を月面X（げつめんエックス）と呼びます。

上記の時間の前後1時間くらいは見やすい時間となるそうですが、ピークに近い方がXの文字がよりくっきりすると思います。

月面Xとは？

夜空を見上げると、月に浮かぶクレーターや模様が目に飛び込んできます。その中でも、ひときわ神秘的な光景を作り出すのが「月面X」です。
月面Xとは、月面にある特定のクレーターに太陽光が特定の角度で差し込むことによって、アルファベットの「X」の形に見える光の模様のことです。
この珍しい現象は、年に数回しか見ることができず、しかも、そのXの形も刻々と変化していくため、多くの天文ファンを魅了しています。

月面Xの正体：クレーターが織りなす光の芸術

月面Xの正体は、月の表面にある「ブランキヌス」クレーター、そして、その近くにある「プールバッハ」クレーターと「ラカーユ」クレーターによって作り出されます。
これらのクレーターの壁面や地形が、太陽光を反射・屈折させることで、Xの形を作り出すのです。

月面Xが見える時期と時間：2025年は何回？

月面Xは、月の満ち欠けと太陽光の差し込む角度によって出現するため、いつでも見られるわけではありません。
2025年に月面Xが見られるのは、以下の6回です。

2025年の月面X（全6回）
2月5日　18時10分ごろ　好条件
4月5日　22時50分ごろ　好条件
6月3日　23時20分ごろ　好条件
8月1日　20時50分ごろ　好条件
9月29日　18時50分ごろ　好条件
11月27日　20時45分ごろ　好条件　
（天体観測手帳2025より）

これらの日時の前後数時間に注目して、月面Xを探してみましょう。予報は各サイトで若干異なる場合がありますので、少し早い時間からスタンバイしているのがよいと思います。

月面Xの探し方：望遠鏡で見つけよう

月面Xは、肉眼で見ることは難しく、鮮明なXの形を捉えるためには、天体望遠鏡を使う必要があります。
望遠鏡の種類は、屈折式望遠鏡、反射式望遠鏡、カタディオプトリック望遠鏡などがありますが、どれを選んでも月面Xを観察することができます。
重要なのは倍率で、口径や観測条件によって異なりますが、30倍〜50倍程度が目安となります。

望遠鏡を覗く際には、月の位置や方向を事前に調べておくことが大切です。
天体観測アプリやサイトなどを活用して、月が出現する日時や方角を確認しておきましょう。建物が少なく開けている場所であれば、地上に出ていたらすぐにわかりますね。

月面Xの魅力：刻々と変化する光り方

月面Xの最大の魅力は、そのXの形が刻々と変化していくことです。
太陽光の角度が変わるにつれて、Xの形が細くなったり、太くなったり、消えたり、現れたりする様子は、まるで生きているかのようです。
また、月面Xは、月のクレーターや地形によって作り出される光の芸術とも言えます。
自然が織りなす神秘的な光景は、私たちを魅了してやみません。

月面Xの撮影方法：思い出を写真に残そう

月面Xを観察したら、ぜひ写真に収めて思い出を残しましょう。
望遠鏡にカメラを取り付けて撮影する方法や、スマートフォンを使って撮影する方法などがあります。
カメラの設定や撮影方法については、天体写真の書籍やサイトなどを参考にしてみましょう。

月面Xのはじまり

2004年にカナダの天文愛好家のChapman氏らによりインターネットで紹介したことから始まったと言われているようです。海外では LunarX（ルナエックス）と呼ばれたり、近くのヴェルナークレーターの名前からwelnerX（ヴェルナーX）と呼ばれたりするようです。
日本では2009年世界天文年に、神奈川県の山田陽志郎さんが「月面X」として紹介し、出現予報を発表し始めたことから広まったとされています。
中日新聞の特集ページが詳しく、画像の表現も面白かったのでぜひご覧ください。↓

月面Ｘを探せ

まとめ：月面Xを望遠鏡で見てみよう

月面Xは、毎回上弦（半月）の度に見られるものではありませんし、そのときに天気がよいとも限りません。
ぜひ一度、望遠鏡を覗いて、月面Xの美しい姿を見てみてください。
きっと、忘れられない感動と宇宙へのロマンを感じることができるでしょう。

過去の月面Xの記事

🌓月面Xを見てみよう😀

https://note.com/sawax2/n/na937313b33d2