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憧れのプリンセスはシンデレラです
子どもの頃、どうもお姫さまが好きになれなかった。
王様も王子様も違う。
一番かっこいいのは騎士だった。
姫も王様も王子様も騎士に守ってもらって、弱くてダサい。
それに比べて、騎士は武器とか持ってるし鎧も着てて強そう。
そんな理由。
幼稚園の頃の私は癖毛で髪がクルクルしていて、地毛が茶色だったせいで、大人たちが遊んで「姫」と呼んでくることがあった。
騎士に憧れていた私にとっては心外だ。
同世代の女の子たちの多くは姫に憧れてドレスを着たがっているのに、私は姫と呼ばれるとムスッとするのも面白かったのだろう。
考え方が変わることはなく、姫の良さが分からないまま大人になった。
ピーチ姫はゴールで待ってるだけのダサいやつだと思っていたから、マリオパーティで一度も使ったことがない。
プレゼントやらイベントごとやらでディズニープリンセスと幾度もニアミスしてきたが、全部突っぱねた。
好んで観ていたディズニー映画は「わんわん物語」と「101匹わんちゃん」くらいだった。
ある日、仕事の付き合いで実写版シンデレラを観に行くことになった。
アニメ版シンデレラを観た時は例に漏れず楽しみ方が分からなかったので、実写版も全く期待せずに観た。
仕事だから寝ないことだけが目標。
物語の途中まで、白けた気持ちでスクリーンを眺めていた。
なんのシーンなのかは忘れたけれど、シンデレラが鞍も付けずにワンピースで馬を乗りこなした瞬間、私は釘付けだった。
めちゃくちゃかっこ良かった。
19世紀の女性は乗馬をする人も珍しくなかったらしいけれど、そんなことはどうでもいい。
馬に乗るシンデレラの姿が最高にかっこいいのだ。
そのあとの展開が記憶に残らないほど、乗馬のインパクトが強かった。
子どもの頃に実写版シンデレラを観ていたら、絶対にシンデレラに憧れていた。
実写版を観に行ったあの日から、憧れのプリンセスはシンデレラになった。