#新型コロナウイルス がくっつく #ACE2 とほぼ同様の微生物由来の #B38-CAP は治療薬となるかも

#新型コロナウイルス がくっつく #ACE2 とほぼ同様の微生物由来の #B38 -CAP は治療薬となるかも
  文責: 澤田石 順(勤務先病院の元感染対策委員長) jsawa@nifty.com
      note: https://note.com/sawataishi
      twitter: https://twitter.com/sawataishi
   version 1.0 (2020.3.5)
  本文書の所在 note→ https://note.com/sawataishi/n/nc87c8a1fb87c

■解 説(一般の方用に噛み砕いて)
 治療薬として有望かもしれないのです。
 新型コロナウイルス/COVID19 は ACE2 という酵素に結合して、細胞に侵入、そして増殖します。ACE2 は肺、腎臓、小腸などにあります。肺には ACE2 がたくさんあるので、同ウイルスがそれにくっつくことから、肺炎が始まるわけです。
 もしも、ACE2 が注射とかで投与されるならば、ウイルスがそれにつくために、肺の ACE2 に結合する度合いが弱まることで、肺炎の予防や肺炎の重症化を防ぐかもしれないのです。
 過去にSARSウイルスが ACE2 にくっつくことが知られ、患者に対して「合成された ヒトの ACE2」投与したら、症状が改善した報告がなされてます。問題は、ACE2 の合成には長い時間とコストがかかるために、現実に用いることが困難という事実。
 秋田大学等の研究グループは五年ほど前から、微生物由来の ACE2 類似物質 B38-CAP を研究してきました。タイミング良く動物実験等を集大成した論文がまとまりました。研究者達は、新型コロナウイルスの治療に応用できる可能性に気付いて、記者会見したのです。
 B38-CAPは大腸菌とかを用いて迅速に大量生産できるので、患者に応用することより現実的に可能ということなのです。
 私は秋田生まれで秋田大学医学部卒。秋田・青森県にまたがる白神山地で発見された微生物由来の、B38-CAP が新型コロナウイルスの治療に役立つのではないかと、大いに期待しております。秋田県には患者が1人も居ないとは思えませんが、今のところ確認されてません。もしも、1人でも見つかるならば、秋田大学にある B38-CAP を投与する試みがなされるかもしれません。

▼2020/2/25の秋田大学の記者会見
-秋田大学研究グループの成果が国際科学雑誌「Nature Communications」に掲載 新型コロナウイルス受容体ACE2と同じ機能を持つ微生物酵素B38-CAPを発見~白神山地の微生物が産生する酵素が医薬品応用の可能性~ https://www.akita-u.ac.jp/honbu/event/item.cgi?pro3&857
 ★プレスリリース全文→https://www.akita-u.ac.jp/honbu/event/img/pro30857_01_dl.pdf

▼医学論文(医師以外はスルーを

- 2020/2/26に公開された論文: B38-CAP is a bacteria-derived ACE2-like enzyme that suppresses hypertension and cardiac dysfunction → https://www.nature.com/articles/s41467-020-14867-z
 ※PDF文書→ https://www.nature.com/articles/s41467-020-14867-z.pdf

- 新型コロナ感染の治療戦術についての貴重な論文 (2020/1/31) : Therapeutic strategies in an outbreak scenario to treat the   novel coronavirus originating in Wuhan, China[version 2; peer review: 2 approved] Robert L. Kruse Department of Pathology, Johns Hopkins Hospital, Baltimore → https://f1000research.com/articles/9-72/v2 ※get PDF でPDFの論文を無料で download できます
  ↑の論文では、まさに ACE2 と同様の物質の身体への投与による治療について述べられてます。


- B38-CAP, a bacteria-derived ACE2-like enzyme, supresses cardiac remodeling and dysfunction in mice (2018/9/22) https://researchmap.jp/read0001500/presentations/19815330

▼報道
- 白神由来の酵素、高血圧治療に効果 新型肺炎治療薬に期待: 秋田魁新報 2/28 → https://www.sakigake.jp/news/article/20200228AK0008/
"秋田大学大学院医学系研究科の久場敬司教授らの研究グループが、白神山地の土壌から採取した微生物の酵素「B38-CAP」に、心不全や高血圧の治療効果があることを突き止めた。新型コロナウイルスによる重症肺炎の治療薬開発につながる可能性もあるという。久場教授ら5人が27日、秋田大医学部付属病院(秋田市)で記者会見し発表した。"

- 秋田発・世紀の大発見! 白神山地の微生物酵素が医薬品応用の可能性 秋田大学などが成果発表 : 秋田テレビ 2/28 → https://www.fnn.jp/posts/2020022700000006AKT
"新型コロナウイルスの感染が世界的に猛威を振るっているが、将来治療に役立つかもしれない大発見を秋田大学を中心としたチームがやってのけた。新型コロナウイルスへの効果はまだ研究中の段階だが、肺炎の重症化の防止などの効果は確認されている。共同研究チームが27日、秋田市の秋田大学付属病院で研究成果を発表した。

 秋田大学をはじめ食品・医療などの研究所による共同チームは白神山地で採取した微生物の酵素(パエニバチラスB38株・B38-CAP)が人間の細胞の表面に結合する酵素(アンジオテンシン変換酵素2・ACE2)と似たような働きをすることを突き止めた。さらにマウスに対する実験で、心不全や高血圧への治療に効果がある事を解明した。

 ACE2がSARSの重症化を防ぐ効果があることはすでに明らかになっていたが、研究に使うための酵素を増やすのに時間とコストがかかることが課題だった。B38-CAPはより短い時間で大量に増やすことが可能(ACEの約9.3倍の効率)で、しかもSARSウイルスと新型コロナウイルスは似ていることから、今後は新型コロナウイルスに対する治療薬の開発が期待されるという。

 秋田大学大学院医学系研究科の久場敬司教授は「新型コロナウイルスについては、重症化をできるだけ防いで助かる命を救命することが医学界から見て大事。今回発見したB38-CAPは、重症化対策の1つとして検討すべき治療候補のひとつ」と語った。

 共同研究チームは、これまでに確認された効果についてはすでに特許を出願し、3月5日公開される予定。現在は、新型コロナウイルスに関する研究も進めているという。"

■補足: 新型コロナ対策三種類
1)個人の対策→ https://note.com/sawataishi/n/n74c268615d01
2)都道府県の対策→ https://note.com/sawataishi/n/n715c4585dba8
3)戦後最悪の社会経済的苦境への対策→ https://note.com/sawataishi/n/nbc9e4314bc33

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