■スターリン、ヒトラー、竹中平蔵、安倍晋三、ミルトン・フリードマン、ロナルド・レーガン、中曽根康弘、サッチャー、東條英樹等の死を、私は悼まない。

■スターリン、ヒトラー、竹中平蔵、安倍晋三、ミルトン・フリードマン、ロナルド・レーガン、中曽根康弘、サッチャー、東條英樹等の死を、私は悼まない。
 一国の首班/巨大な影響力を一国ないし諸国に有した公的人物が亡くなった場合、その人物の功罪はともかくとして、一国または諸国の政府/公人/私人は哀悼の意を表するのが、地球村における文化であり礼節である。ただし、その人物の功績が少しはあるとしても、悪行が甚だしい場合、政府/公人/私人は哀悼の意は表することなく、当該人物がなしたことを簡潔に記しつつ否定的評価で結ぶべきであろう、発表/発言はしないのが望ましい場合が多かろう。
 さて、ヒトラーらに並べて安倍氏について、私が哀悼の意を表しないとした哀悼の気持ちが皆無だから
 なぜ? 単純明確だ。

  1. 経済的搾取推進、日本経済の成長を阻害 -- 安倍氏の最大の政治的罪
    彼は「世界一企業が活躍しやすい国」への変革を断固として推進しようとしたのみか、現実に推し進めたからである。安倍政権において法人税は年間4兆円ほど減額され、不足分調達のために消費税増税、年金削減、生活保護費削減、雇用を守る法律の改悪、TPP参加による農林水産業等の衰退促進が断行された。安倍氏は直接に1人も殺害してないいが、彼の政権により生活水準が低下した人々の数は膨大であり、ホームレス化したり、経済的苦境から自殺に追い込まれた人はどの政権よりも多いであろうし、彼の政権による法制度はそのまま維持されているから、これからも自殺者や生活破綻者が増える。
     ここまで記した安倍氏の蛮行は経済的搾取推進であり、これが最も重い政治的罪である。もちろん、安倍氏は総理大臣になるためには、グローバル企業(私の表現では超国家企業群)とその奴隷化しているアメリカ連邦政府の支持が必要だからそうしたのであろうし、もしかしたらミルトン・フリードマンのごとき新自由主義経済思想を本気で信じていたのかもしれない。どちらが主たる動機であっても、安倍政権における経済的搾取推進政策を正当化などできない。

  2. 中央政府の私物化 - 小さな罪
     安倍氏のモリカケ問題は中央政府の私物化であり、実にお行儀悪いことではあるが、そのことは政財政策における罪が100としたら、せいぜい1であり、私は大して重視しない。中央政府の私物化をしている安倍氏が総裁である自民党に選挙において国民の多数派は投票したのであり、投票した人達は「三本の矢」とか「世界一企業が活動しやすい国」という規制緩和路線が、日本経済活性化をもたらし、自分の給料が上がる、経営している企業が儲かると期待したのであろう。もちろん、それらの政策こそが円安(日本国の経済的力の衰退)をもたらし、非正規雇用激増/実質賃金低下による国民全体の購買力低下による景気停滞をもたらしたのであり、安倍政権の政策は経済成長回復とは真逆の結果となることは、まともな政治家・経済学者らが最初から指摘しており、その通りになった。もちろん、私は私的に指摘してきた。
     安倍氏に多くの国民が騙されたわけではあるが、騙される方は愚かであり、騙された人々に同情することは私にはできない。主要マスコミ、御用学者が安倍氏の政策を大いに称賛・宣伝してきたことを非難する気持ちは少しだけはあるが、それらは自民党のご主人様である経団連/グローバル企業/アメリカ連邦政府の金力と金以外の影響力下にあり続けた。それらが、安倍政権の政策が始まる前に無条件に称賛・期待を喧伝し、実行後に失敗が明白になった後でも批判をしないことは当然のことである。餌を毎日恵んでくれるご主人に対して、犬が反抗しないのは当然という意味と同一。

  3. 憲法の明文規定に違反する法律制定 - 絶対的な政治的罪、ただし害悪は小
     いわゆる戦争法案。日本の領土外での戦争に、自衛隊が参加することは憲法が完全に禁止している。憲法違反の法律制定は恐るべき蛮行である。私はその法案反対のために、何十回と国家前デモに参加し、法案成立の日は朝六時まで現場にいた。けども、経済的搾取推進政策と比較したら罪の度合いはずっと小さい。
     中国と韓国に対する姿勢(過去の過ちを無視ないし否定)も論外ではあるが、経済的罪と比較するとたいしたことはない。

以上、安倍氏についての評価を簡単にまとめてみた。

話しを転じる。残念なのは日本共産党やいわゆるリベラル勢力(憲法9条守ろうとか)のこと。私はそのような勢力の人達と一緒に街頭デモに参加したり、今日まで親しくしているが、そんな人達は、国民大多数にとって経済的苦境こそ克服してほしい主要課題であり、憲法とか平和とかは二の次だと思っていることをよくわかっていない。山本太郎・れいわ新選組はその点で優れている。「れいわ」は経済・生活の改善を明白に最優先としている。れいわは安倍氏による経済的搾取推進政策こそ、安倍氏の最大の罪だとしっかりと認識していると思う。参院選では、れいわまたは日本共産党への投票をよびかける。両党が躍進することで、国会における当たり前の質問が増加することで、自民党・公明党政権が、昔の自民党のように妥当な政策を「盗む」効果が期待される。日本国の1人当たりGDPを韓国が抜いたのは三年前だったか? この30年、アメリカやイタリアなどの先進国は名目GDPも賃金もおおむね2倍なのに、日本は微増しかしてない。実質では日本は停滞あるいは下がり、諸先進国はおおいに増加している。経団連/グローバル企業/アメリカ連邦政府の奴隷化した政権が続くのではあるが、現政権ですらこまままではヤバいと感じていることが推察される。共産党とれいわの議員が増えることで、現政権が提案を取り入れる公算が少しだけでも高くなると私は信じる。立憲民主党がおおいに増えるとしても、同党は基本的な認識(新自由主義にかなり染まっている)が誤っているので、それよりも共産党とれいわが増えた方がいいと私は思う。

▼安倍氏が殺害されたことについて
 彼の政権による経済的搾取推進(間接的大量殺人、直接的に生活困窮者を増加)が最大の理由で、哀悼の気持ちを表明する意思が全く無いのではあるが、可哀想だと感じていることは正直な現実。彼が生きている頃、既に可哀想だと思ってきたのである。なぜならば、あまりにも幼稚かつ臆病なボンボンにみえていたから。
 彼には過去の史実・事実について学ぶ意思がほとんどなく、もしも書物を読んだり人から聴いても骨肉に刻まれることはなかったと見て取れる。祖父の岸信介氏を彼は偉大な政治指導者とみなしており、祖父のごとく「偉大」(日米安全保障条約の改定=アメリカの奴隷化継続=売国)な仕事を、「反対がいかに強くても断行する」ことに生きがいを見いだしていたのが安倍晋三氏であった。
 彼の心情について同情できなくはないが、彼は岸信介氏のような政治「信条」をいかなる意味でも形成することがなかったと思う。岸氏はそもそも対米戦争においてアメリカを敵として奮闘した実務官僚であった。その岸氏が戦後に「アメリカ大好き」になったわけでは全くなくて、総理大臣の立場で彼なりに熟慮した結果として、アメリカに屈従する条約維持を選択したのである。
 安倍氏とは異なり、岸元総理には明確な「信条」があり、信条の基礎は国民益(National interestであり 国家益 state's interest ではない)だったと私は思う。岸氏は国民益のため「当面」は米国の属国化を継続するしかないと判断したのであろう。彼の政治的信条は「しばらくはアメリカの属国、いつかは日本独立。独立を実現するための方便としてのアメリカ従属」という単純明快な内容だったと思う。当時の東西冷戦という国際環境からして、岸・自民党の決断について完全な誤りだったと言うことは私にはできない。もちろん、米国の属国化継続という日本国の重大問題について、国会において十分に時間をかけることなく、強行採決したことは100%の過ちではあった。それでも、岸は成立後に退陣してけじめをつけた。
 安倍氏には政治信条がないと私は言った。これについて解説する。安倍氏の対米従属は政治的な信条とは言えない。祖父が当時の国際情勢と対米関係を考慮して、熟慮した結果として戦術的に当面は米国の属国化継続を決断したのに対して、安倍氏の米国盲従は祖父がそうしたからそれを継続するという心情 and/or 米国の奴隷であり続けることは自らから総理大臣様になり、総理を維持するための手段だと思われる。その2種類のどちらなのか、どちらが何パーセントなのかを論じても、彼の内心を観ることはできないので意味がないし、真実がどうであれ、彼の米国従属は政治信条ではないことは確実であろう。安倍氏は政治家を目指すべきでは無かったと思う。不憫に感じる。普通のサラリーマンとして過ごしていたら、良き父・夫として幸福に長生きしていたと私は思う。

▼極度に臆病な政治指導者こそ怖ろしい
 極度の臆病者が一国の指導者になることは国民にとって害悪となることは言うまでもない。極度の臆病者は軍事力/警察力によりライバル国/反対者を威嚇・攻撃/弾圧(逮捕、投獄、殺害等)するための手段強化に邁進する。スターリンがその典型であり、安倍氏もそのような極度の臆病者であった。極度の臆病者は国内の反対勢力を警察力によ弾圧することが「普通の人々」からすると良く思われないことを知っている。けども、それを緩めたり中止すると、自分が追放されたり殺されるかも知れないと恐れるため、ますます警察力を強化する。
 安倍氏による警察支配強化はスターリンと同一の性質であった。例えば、北海道にて、安倍氏の選挙演説にて、安倍晋三反対のプラカードを掲げた市民を警察が暴力的に排除したのがその一例である。裁判の結果、警察の行為は不法だとされたが、安倍氏はその事件に関して、警察の行き過ぎを非難する公的声明を発しなかった。欧米の民主主義国の大統領などならば、事件直後に警察の行為を非難するのが当然。もちろん、安倍氏本人や内閣府など、あるいは自民党が諸都道府県警に対して、反対派を法律違反の暴力的排除せよを命じた証拠はみつかってないし、命じたとは考えないのではあるが。
 安倍氏の軍事力強化邁進は彼が極度の臆病者という性質から最も容易に説明できる。ご主人様なる 経団連に属する日本の軍事企業/アメリカの軍産複合体 の二つからの要請に従ったという側面はあるが、彼は強い武器を持つことで安心が高まる、逆にいうと軍事力が弱いと不安なのだったと思う。彼は日本の核武装を願っていたとは思うが、アメリカ様が決して許さないことは知ってた。それでも核ミサイルがないと心配なので、今年、なんと、核共有を提言!! なんたる臆病者よ。彼は二ヶ月前だったかこう言った。
 「日本が軍事攻撃された場合に、アメリカが日本を守るために武力行使する条件を明確化せよ」というようなことを。日米安全保障条約を読めば、他国が日本を攻撃した場合に、アメリカが日本のために参戦する「義務」がないことは小学四年生でもわかる。条約では、アメリカは同国の法制度に依拠して、アメリカ国として日本を攻撃した国に対して、どうするか決めるとのみ記されている。つまり、アメリカには自由な選択が与えられているのであり、NATOの条約のように「一国に対する非NATO加盟国による戦争行為は全加盟国による攻撃とみなして、侵略国に対して共同対処する」という「義務」のような条項が、日米安全保障条約にはない。イギリスがドイツによるポーランド侵略開始直後にドイツに宣戦布告したのは、イギリスとポーランドの条約でイギリスがポーランド侵略をした国に参戦する「義務」があったから。日米安全保障条約はそのような「軍事同盟」では全く無い。
 安倍氏は日本が侵略された時、米国が「必ず」参戦するわけではないと、いつの時点かで悟り、あのような発言に至ったと思う。私の知る限り、元総理の安倍氏による核共有にしても、アメリカの参戦条件明確化要求にしても、アメリカ政府がコメントした報道を知らない。アメリカ政府は明確な意図で無視したと思う。アメリカが核ミサイルを他国に発射する条件は、自国が存亡の危機に陥った場合のみであり、アメリカが友達国への侵略に対して、アメリカが攻撃国に宣戦布告する条件は米国の国益からして必要な場合のみ。当たり前のことだ。安倍氏の「懇願」に対して、アメリカがもともとの方針を公言することはそもそもありえない。公言したら、日本国民からすると日米安全保障条約には日本国が侵略された場合に、アメリカが日本のために参戦する義務がないとわかるからである。逆に安倍氏の「懇願」を肯定的に論評するような声明は米国の方針に全く反するのでそれもできない。だから無視しているのであろう。
 安倍晋三氏を不憫だと思う。アメリカという国は自国第一であり、そもそも世界中のどの国もそうなのに、なんと、彼は「アメリカにこれほどまでに従属する忠犬なる日本」は特別扱いして欲しいと願っていたように思うから。

以上。安倍氏の蛮行(経済的搾取拡大と国民経済破壊)について、そして彼の幼稚さについて記した。
 これからの日本国のあり方はどうあるべきか? 実に単純明快である。彼の諸政策の真逆を実施すること。そのためには、次の衆議院選で政権交代する必要がある。頑張ろう。

▼次の衆院選で、日本共産党、立憲民主党、れいわ新選組が提示すべき政策群
A) 経済成長のための方針 - 教育と研究の活性化および可処分所得増大
・GDPあたりの教育への公費支出を欧米先進国並の比率とする
・公立教員への残業代支払いを労働基準法により支給する。教員を1.5倍にする
・保育と教育の費用はもちろんのこと、大学の授業料もゼロとする
・大学や研究機関への補助金を二倍にしてイノベーションを推進
・大学や研究機関への補助金の「選択と集中」を廃止
・労働者等の総賃金増大による購買力増加
 ・正規雇用の飛躍的増大: 派遣労働の禁止を規制緩和前に戻す
 ・最低賃金を1500円、全国一律で
・年金生活や生活保護者への支給額を1.5倍にする
・消費税廃止
・医療と介護における自己負担をゼロとする

B) 国内市場の活性化 - 自国で生産できるモノはそうする
・木材の輸入禁止にむけて、前段階として関税を段階的に上げる
・農産物生産者への政府補助金をアメリカやフランス並みに増額
 ・原価100円の穀物を200円で政府が購入して、100円で販売するような
・TPPなど売国条約から離脱

C) 財源
・富裕品に特化した物品税創設
・法人所得税を30年前の税率にもどす
・個人所得税を30年前の累進度にもどす
・金利所得の税率を40%または、総合課税
・有価証券売却益への税率を40%または、総合課税
・巨大企業の節税となっている研究開発減税の廃止または半分くらいの縮減

足りない分は国債で良い。国債は借金ではなく、買った人の資産である。国債の利払いと償還を減らすためには、日銀がこれまでしてきたように銀行から国債を買うことでよい。日銀が政府から得る国債金利とその償還金の95%前後は政府に戻るのが事実である。国債が政府にとって負担なら、今では半分くらいが国債を日銀が所有しているところを全額購入でもよいのだ。日銀購入の国債については、新たな法律をつくり、国債を消滅するようにすることも問題ないであろう。日銀が国債を購入するにあたり、日銀には「ちょきん」などない。日銀は銀行の日銀口座に電子的に振り込みするだけ。このような中央銀行による国債購入は欧米で日常的にされている。

P.S. 安倍氏の政策(自民公明政権の)について、内田樹(たつる)氏による諸論評をおおいに推奨します⇒   http://blog.tatsuru.com/2013/05/23_1617.html 
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