小金沢大菩薩沢
7月にコロナに罹ってしまったので、だいぶ久々の自主山行。
檜枝岐の保太橋沢、黒檜沢、谷川のウツボギ沢などいろいろ検討したが、土曜午後が雨予報となったので、前泊日帰りで大菩薩沢に行くことにした。
前泊は上日川峠キャンプ指定地。テントを張ってここを起点とする。英気を養うため、夜は焼肉パーティー。
雨が降るのがわかっていたのでタープを張ってパーティーをしていたが、夜になると土砂降りになり、翌日の増水に怯えながら暴風雨をやり過ごした。
翌日は快晴。5:07、バスの時間までに戻りたいので早めに出発。登山道からは富士山や甲州の山並みがきれいに見える。
6:40、長峰分岐に到着。沢下降があるので沢仕度を整える。
K合「あれ?エイト環がない!持ってきたのに!」
S木「私の貸しますよ。ムンターで懸垂するから。」
K合「あ、あった。あれ?手袋がない。あ、ヘルメットの中にあった!」
今日もK合さんは元気だ。
長峰から降りる山道は急だが道筋はついており、ピンクテープもあるので迷うことはない。Co1330あたりで山道を離れて沢に向かう尾根に乗る。とりあえず尾根の末端まで行き、予定の枝沢にぶつかったので、これを降ってCo1170大菩薩沢に出合う。
軽く休憩して8:10大菩薩沢入渓。昨晩あれだけ雨が降ったのに、増水もなく沢は穏やか。
ゴーロ歩きを続けるとマミエ入り沢に出合う(1:2)。その後、小滝がいくつか現れるがどれも快適に越えられる。下部はヌメりもなく登りやすい。
それから本日の核心、4段滝のルンゼ巻きが見えてくる。
とりあえずルンゼ下部を登る。ルンゼを詰めすぎてはいけないと予習したので、上がれるところまで上がって左壁に取りつこうとすると、
K合「のぶお、こっちの方がいいよ」
とだいぶ手前からK合さんが左壁を登り始めた。たしかに泥壁がズルズルだが細かいホールドはある。
K合「ほら・・・」
ペタペタペタ・・・おいおいおい
K合「ほら・・・」
ペタペタペタ・・・ほぼ登り切りやがった!この日唯一のお楽しみを!こうやって軽くルーファイをミスすると、おいしいところをもっていかれる。ルーファイは大事だ。
泥壁がズルズルなので上部で一応ロープを出したが根っこがたくさんあり、結果的には必要なかった。滝上から懸垂で降りたが踏み跡を辿れば懸垂無しでも降りられる。
この滝を越えるときれいなナメ滝が連続する。
この3mは右壁をヘツったが壁がハングしているのでちょっとやらしい。ホールドをうまいこと使ってうまいことやる。
しばらく歩くとヌメヌメの2段3mが出てくる。下段の1×3くらいのナメ滝がヌメっていて手ごわい。塾長のガイド本では右岸高巻きとあったが怪我はしなさそうだったのでチャレンジしてみる。
K合さんは水流から弱点をついて、私は左から岩をスローパー気味に抱きながら置けそうな足を選んで、これを越えた。
最後、2段10mを高巻くとあとはCo1450〜1760まで続く300mのゴーロ小滝登りが始まる。2段10mは下段はおそらく登れるが上段は無理だった。上手い人なら右壁を使ってなんとかなるかも。
あとはゴーロ小滝を詰める。心を無にして300mを登る。でも辛すぎて心が無になることはなく、ずっと文句を言いながら登る。Co1500あたりから岩がヌメり始める。
Co1760最後の二又に出合う。向かう右又は枯れている。
50ほどガレを登って膝丈の笹藪をトラバースするとやがて踏み跡が見えてきて、それがだんだん濃い道筋になってくる。
この道を辿って長峰の尾根に乗り、12:20長峰分岐到着。午後になり雲が出始めたが石丸峠に来ると登山者の姿もちらほら見えた。
13:56、上日川峠到着。テントを回収してバスに乗ってやまと天目山温泉へ。お風呂後の食事は甲斐大和駅前にある雅さん。K合さんはサラダとカキフライ、私はいのししほうとうを食べたが、ボリュームがすごい。おまけに安い!お客さんはうちらだけだったけど、もっと流行っていいと思った。
大菩薩沢は緊張感のあるイベントは無いが、ところどころ楽しめる沢だった。最後300以上の登りがしんどいけどトレーニングと思えば良いでしょう。
というわけで、大菩薩沢の報告を終わります。ご精読ありがとうございました。
山行実施日:2023年8月27日(日) 晴~くもり
メンバー:S木(L、記)、K合
山域:大菩薩
山行形態:沢登り
コースタイム:
上日川峠(5:07) - 小屋平バス停(5:28) - 石丸峠(6:25) - 長峰分岐(6:40-7:02) - 大菩薩沢出合(8:05-8:10) - 4段滝(8:45-9:10) - Co1760最後の二又(11:52)-長峰分岐(12:22-12:36) - 石丸峠(12:50) - 小屋平バス停(13:30) - 上日川峠(13:56)
地形図:大菩薩峠