日原川水系川苔谷逆川
日程:2022年10月16日(日)曇(一時雨)
メンバー:S木(L、記)、K井さん、A井さん
前日は大菩薩にいた。
K井さんと二人、泊まりで大菩薩沢を遡行する予定だったが、降り続く雨で撤退した。泊まりの荷物をフルで背負って登山道と尾根道を往復で上り下りしたので、ヨワヨワのおじさんとおばさんは腰や肩をだいぶ痛めてしまった。しかしそれでは悔しいので、翌日、日帰り代替案で計画していた川苔谷へ行くことにした。
というわけで、気を取り直して翌日、川苔谷へ。
8:17奥多摩駅集合。ラジオ体操をするA井さん。
川乗橋行のバスは予想通り臨時便が出た。車内は登山客で超満員。20分ほど揺られて川乗橋に到着。そこから30分ほど歩いて下降点となる左カーブミラーに到着し、沢支度。すると、まさかの3人組パーティが現れ、同じように沢支度を始める。さすがうちの先生が書いた「東京起点沢登りルート120」掲載ルート、アプローチの良い初級沢だと結構他のパーティとかち合う。
別パーティに先に行ってもらい、我々はのんびり時間をかけて出発。「こっちだよ」「いやこっちだって」と揉めながら下降点を下って入渓。すぐに逆川出合へ。釜を持った小滝が続き、腰や胸まで水に浸かる。そして現れた噂の2段滝(3m、7mが独立している)。
荒れ狂う二段目を見て「巻こうかな・・」とヒヨったが、せっかく来たので登ってみる。予習では最初の3mは簡単だったはずだが、増水して取りつくのに一苦労。とりあえず登る。
K井「奥、登れなかったらどうするの?」
S木「その丸太で(懸垂して)降りる」
しかしながら2段目に来てみると、7m滝は広い右壁を持ち、ホールドもスタンスも豊富。一応ロープを出して無事登攀。そんなにムズくない。
その後、大岩のゴーロをひたすら遡行していると、お腹が鳴り始めたので少し早いが11:30頃お昼にする。GPSで現在地を確かめるとCo650・・・650???全然進んでないじゃん!!!前半のいろんな「のんびり」を後悔し、焦り始める。もう夏ではないので、日が落ちるのも早い。ウスバ林道着のデッドラインは15:00と決めていて、それが難しそうな場合は大ダワ沢からエスケープしようと思っていた。というわけで、お昼ご飯後は山道を使うなどしてペースアップ。
奥多摩の沢は暗い。植林帯が日光を遮るためだ。昼過ぎなのに夕方のよう。
そうこうしているうちに13:06大ダワ沢が出合う(1:1)。
しばらく遡行すると出てくるつっぱり滝。上部5mは左右の岩に手足を突っ張って体を持ち上げる。つっぱりはヌメっていると緊張するが、フリクションも効くしスタンスもあるので快適に登る。
このつっぱり滝の後に出てくる4mがこの日一番苦労した。
まず、左右とも釜が深く取り付ける気がしない。「巻きだな・・」と思っていたら、K井さんが「いける」と言い出す。
K井「右、水の中に足場がちょっとあるよ。ほら、いけるって。」
S木「えええ、あんなに岩がハングしてせり出してるんですよ?あそこはどうやって抜けるんですか?」
K井「そこはうまいことやるんだよ。」
アドバイスが雑・・・K井さんはいつもそうだ。
とりあえず右壁をへつってみたが、せり出した岩に上半身がのけぞらされる。マトリックスのキアヌ・リーヴスもびっくりの、のけぞり具合。前日の歩荷で痛めた腰が悲鳴を上げる。ホールドも良いものはないので、岩角やアンダーをつかんだりして、あれやこれやして、なんとか抜ける。
K井「すごーい。ほんとに抜けたー!」
・・・どこまでも自由な人だ。
その後の4m滝もスタンスが乏しくしょっぱいが、フリクションで何とか登る。いろいろしんどかったので、おたすけを出す。なんかここがいちばんムズかった。
ちなみにおうちに帰ってルート120を見たら、ここは巻いていた。
そして今日のラスボス、ウスバ林道下の10m滝へ到着。
個人的には12mかなと思う。右壁から登る、というところまでは予習した。が、そこからどうラインを取るかで揉める。中段までいくと、岩がハングしているのでそこを左に抜けるのか、右に抜けるのか、下から見るだけではなかなか判断が難しい。
K井「水流じゃない?」
S木「いやいや絶対無理でしょ。全部逆層だもん。」
A井「右に逃げるんじゃない?」
S木「いやぁ、逃げ場があるようには・・・とりあえず登りますわ。」
ロープを引いて登り始める。下部はヌメると予習していたが、ヌメりはなくフリクションも効く。きっと渓相が変化したのだろう。中段まで登って岩を探ってみると「なるほど・・」、ガバだらけ。この豊富なホールドを使ってハングを乗り越えて登る。そんなに難しくなく、楽しめる滝だ。
無事二人を引き上げて、14:25ウスバ林道到着。
A井「左俣の大滝を見に行こうよ」
S木「いや、時間的に厳しいのでやめましょう。」
そう、個人的にもこの先にある左俣の大滝を登りに行きたかったが、下山の時間を考えると、あまり遊んでもいられないので、ここで靴に履き替え、下山開始。
下山の登山道はとても快適。
暗くなる前に下りたいというのと、後ろの二人とも足が強いのがわかっていたので、少々飛ばし気味に下山。途中休憩をはさみ、16:23鳩ノ巣駐車場着。終わってみれば、楽しい沢でした。
川苔谷は登れる滝が続く、初級の訓練に良い沢だと感じた(もちろん中級者以上のフォローが必要だが)。できれば左俣の大滝に登りたかったなぁ・・・前半のんびり遊びすぎたのが悔やまれます。皆さんぜひ右俣、左俣それぞれの大滝を登って記録をアップしてください!
というわけで、なんだかんだ楽しかった川苔谷遡行記録、終わります。
拙い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました!
山行実施日:2022年10月16日(日)曇り
メンバー:S木(L、記)、K井、A井
山域:奥多摩
山行形態:沢登り
コースタイム:
川苔橋バス停(8:45)-下降点カーブミラー(9:20-9:50)-入渓(10:00)-大ダワ沢出合(13:06)-ウスバ林道(14:25-14:45)-大ダワ分岐(15:10)-鳩ノ巣駐車場(16:23)
地形図:武蔵日原・武蔵御岳