2021/10/8 本日のリーディングリスト

 ニュースなどの拾い読み。

「GoTo」の早期再開を要望 全国知事会、国交相に
https://nordot.app/818757764822482944

県内旅行に5割補助 愛知が8日から開始、上限5000円
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD0783R0X01C21A0000000/

滋賀県、県民向け宿泊割引など再開 状況判断引き下げ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF073BH0X01C21A0000000/

GoToトラベルに対する意識調査を実施。できるだけ早い時期のGoToトラベル再開を求めているわけではないことがわかった。車を利用した近隣の都道府県への旅行、北海道と関西地域が人気。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000061.000035741.html

※4つめの記事はニュースではなくアンケートをベースにした民間企業のプレスリリースです。

 観光需要がなければ立ち行かない、という地域が多数あります。昨年のGo To施策への批判や、それへの反省から慎重に行われるべきものかと思います。

 当時はまだ「人流」という言い方はしなかったのですが、各都道府県内に留めておきつつその範囲内で活性化させる手法への検討や議論がよく見えず、事業として大手旅行代理店有利なものであったこと、最初の緊急事態宣言が電鉄会社への配慮で発出が遅れたことなどもあって政府の「観光交通業界へのお友だち優遇」ではないかという疑念が晴れなかったことを覚えている方も多いかと思います。

 当時、まずは都道府県内をまたがない形でGoToを実施しつつ、圏内への支援を手厚くできていれば、越境による人流を抑えて、コロナウィルスの拡大減少に一手打てたのではないかと考えられるからです。

 時間を巻き戻すことはできませんが、過去の反省を活かすことができるのが人間の叡智だと思いますので、経済復興を願う民意に応えつつも、感染症対策を最優先にお願いしたいものです。


逃げ遅れないために「防災を自分ごと化」できるヤフーのアプリとは?
https://news.mynavi.jp/article/20211007-2010946/

オンライン医療相談、早く安く 新興がスマホで手軽に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC318J20R30C21A8000000/

世界自然遺産、Wi-Fiで入域マナー啓発、NTTドコモなど
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC294B60Z20C21A9000000/

 いずれもDXの記事です。まず1つめの「自分ごと」というのは本当に大切な視点で、かつてぼくがNHKスペシャルの地震特番『パラレル東京』の連動コンテンツにディレクションで参加した際にも、同様の観点をどうしたらメッセージアプリ上のテキストドラマ表現に入れられるか、大変に悩んだことを思い出します。

 記事を読む限りですが、この「自分ごと」の作り方の面白いところは、パニックに陥りがちな被災直後に、自分を動かす「スクリプト」を組んでおくという点です。

 スクリプトというのは、例えばエクセルのマクロや、iOSに標準搭載されている「ショートカット」アプリのように、一定の機械的作業を自動化するための、簡単な「命令の束」です。

 何が起こったら何をする。この手順をあらかじめリスト化しておくことで、どんなに焦っていても、上から順番に実施すればよいようにすれば、その場での思考はむしろ邪魔と切り捨てて粛々と命を守る行動に徹せるわけです。

 この「あらかじめ」というのが重要で、自分ごとになっていなければそれを脳内シミュレーションすることも、未来の自分に向けての命令も書き起こせないということになります。未来の自分を生き残らせるために考えを巡らせることができるのなら、それはもう自分ごとになっている、といえます。

 2つめの記事。コロナ禍で、接触をできるだけ避ける意味もあってオンライン診療が役立っているわけですが、これもDXの考え方に照らすと、オンライン診療を手法として組み込みつつ、患者のとるべき行動フローを最適化しておかなければなりません。

 例えば、万一新型コロナに罹ったとして、本当に苦しいとなればオンライン診療を申し込んで順番待ちをすることより、電話を保健所にかけて指示を仰いだほうが「速い」わけです。デジタルツールをどこに当てはめたらよいか、ツールのほうに人間が振り回されないような、設計が肝要です。

 3つめの記事。フリーのWiFiに接続する度に、要は「お説教」が表示されるということかと思いますが、人間の行動変容の可能性が秘められているので、これはぜひ導入後に行動変容が起こったのかを聞いてみたいものです。


品川駅の広告炎上騒動で考える、ネットのバナー的な広告メッセージが抱えるリスク
https://news.yahoo.co.jp/byline/tokurikimotohiko/20211007-00261931

”サブスク“の請求トラブルにご用心、国民生活センターが注意喚起
https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1356912.html

「タスポ」26年3月末で終了、通信回線サービス終了で継続困難に
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20211008-OYT1T50220/

 今日も色々とネット系のニュースがありましたが、目を引いたのはこの3つかなと。

 広告のキャッチコピーについては、奇を衒ったものや、皮肉や当てこすりとなるもの、自嘲するものなど、変わり種なものは旧来からあったわけですが、近年より一層「ターゲットでない人に届いてしまった場合の配慮」が求められるようになったと思っています。

 ターゲット層に届く分には、正面から受け止めてもらえたり、苦笑交じりに「でも本当のことだしな」と同意できたりする言葉でも、その内輪の感覚を共有できない外側の人に届いてしまった場合に、問題になりやすい。

 今回は数分の動映像のうちの数秒しか表示されない内容の、しかも新聞広告をディスプレイに転載したという状況のものを、切り取られ方と問題視のされ方が懸け合わさって炎上したという流れです。

 一人が悪意のある切り取りと悪意のある見方と悪意のある拡散をしたのであればわかりやすいのですが、それぞれが別々という。

 上記記事では、広告はそもそも強いものであるというところで、クリエイティブが担う範囲を問う形で締められていますが、ネットの発達で人々の狭量な性格が可視化されているとも考えられます。

 全人類に対して腫れ物にでも触るような配慮をした広告など誰にも刺さらないものにしかならないと思いますし、せめて悪意ある見方くらいは断ち切れないと、つまらない世界しか待っていないと思います。

 2つめの記事。サブスクリプションの継続で細かく儲けていくというのはiモード時代からの25年の伝統みたいなところがあるので、個々人で注意できれば良いのかもしれませんが、悪質なものは気づかないで契約されてしまうってことですよね。

 毎月末に、面倒ではありますがスマホの「設定」から月額料金の発生しているものはないか、カードの明細から使っていないサブスクリプションは無いかなどをチェックして、適宜解約する習慣をつけると良いかと思います。

 3つめ。タスポ、久々に目にしましたねこの言葉……。免許証などを持っていない人のための成人を示す身分証という使い方をされてきた側面もありますが、さてその後、どういう形で成人かどうかの判定をするのか気になります。ひょっとして、顔面認識とかですかね……。マイナンバーカードは使わんだろうし……。使うかも? どうなんでしょうね。

 何かが廃止・終了されるとき、その代わりに台頭してくるものは何なのかも注意していくと、社会の構造が見えてくる場合があります。


「暗号資産」42億分の1に暴落したケースも 若者のトラブル急増〈週刊朝日〉
https://dot.asahi.com/wa/2021100500059.html

仮想通貨が急騰している3つの理由と今後の動向
https://dime.jp/genre/1219883/

NFTが抱えるイメージの問題
https://www.coindeskjapan.com/124717/

WWEのNFT販売の大失敗に見るIPコンテンツ × NFTの難しさ / ねずみを預けてチーズをもらうAnonymiceNFTを解説
https://nobumei.substack.com/p/wwenftip-nft-anonymicenft

NFTプロジェクト「Evolved Apes」の開発者が3億円以上の暗号資産を持ち逃げ、だまされた投資家らは新プロジェクトを発足
https://gigazine.net/news/20211007-evolved-apes-nft-scam/

「NFT in the History of Contemporary Art: a Curated Sale by Hiroki Yamamoto」
https://www.sbiartauction.co.jp/sp/20211030/jp/

【コラム】NFT、メタバース、ゲームの親和性が持つ魅力と高まる関心における間違い
https://jp.techcrunch.com/2021/10/07/2021-09-16-for-the-love-of-the-loot-blockchain-the-metaverse-and-gamings-blind-spot/

佐久間宣行 NFTを語る
https://miyearnzzlabo.com/archives/76849

 そして今回も仮想通貨やNFTの話題です。毀誉褒貶あるなぁ、というところ。

 この一連の暗号資産(仮想通貨)やNFT記事のうち、注目すべきは最後の記事ですね。

 テレビにあまり詳しくない人にとっては「誰それ?」となるかもしれませんが、佐久間宣行氏というのは、現在日本で最も売れるエンタメ番組を作れるテレビプロデューサーです。もともとテレビ東京の社員だったところ、今年から独立し、他局でも番組を展開。

 二年ちょっと前からラジオ番組「オールナイトニッポン ゼロ」の水曜パーソナリティを務めていて、ぼくはずっと聴いています。

 今回、そのラジオ番組の1コーナーで、流行のものをリスナーが投稿し、佐久間氏がそれを拾って読み上げてコメントするというものだったのですが、充分に詳しかったです。

 アンテナが高い人が、ITの専門でなくても「何が起こっているかは把握している」というのは怖いことで、反面、わざと「NFTラジオ」やもう一つ(すんませんすぐ出てこない)、ネタ的にあり得ない話をしていて、温度感をチューニングしている。

 鋭い人は、自分の旨とするものにNFTが役立つかどうかなんていうのはすぐに見切ってしまうというわけです。

 エンタメ分野の企業も続々とNFT事業に参入していますが、「ゴミデータに未来を感じさせて売りつける荒稼ぎ」にならないように、それに踊らされる一般市民にならないように、着目していくのが良いかと思います。


平井卓也前デジタル相の“デジ女”発言で「女性軽視」と批判の声が続出
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202110060000205.html

 意味がわからん新語を作ってしまったということですね……。さすがに政治家のコンプライアンスを微塵も気にしていなさそうな発言を拾っていくのも揚げ足を取るようで疲れますが、デジタル庁の話題ということで……。

 今日のところは以上です。

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