心身ともに健康になるための四諦と八正道
私は東洋医学の考え方に基づいて整体をしていますが、精神と身体の相互関係を重視しています。
身体の健康を手に入れようと思えば、精神面もおろそかには出来ません。
何でも解決するわけではありませんが、仏教における四諦と八正道の考え方は身体の健康にも欠かせないと考えています。
四諦とは人間の4つの事実という意味で、「苦・集・滅・道」を指します。
苦諦(くたい)とは、生きるという事は苦しみであり四苦八苦を伴い思いどおりになるものではないという事実です。
集諦(じったい)とは、人間の苦の根源が愛にあるという事実。
愛の中でも渇愛と言われ、物事に執着する心であり煩悩です。
この煩悩に突き動かされて行動するから苦しみが生まれるという事実。
滅諦(めったい)とは、苦しみの原因である渇愛を滅することができれば苦しみから解放されるという事実。
道諦(どうたい)とは、渇愛を滅する具体的な行動で八正道(はっしょうどう)と呼ばれます。
八正道とは、仏教において煩悩を消し去った涅槃(ねはん)と呼ばれる状態に至るため方法です。
八正道の方法には
1・正見(しょうけん)
2・正思惟(しょうしゆい)
3・正語(しょうご)
4・正業(しょうごう)
5・正命(しょうみょう)
6・正精進(しょうしょうじん)
7・正念(しょうねん)
8・正定(しょうじょう)
があります。
正見とは自己中心的な見方や偏った見方をせず、中道の見方をこころがけることです。
お釈迦さまはは、理想と現実のバランスのとれた中道を行くことがベストな選択になると説明されています。
正思惟とは、自己中心的な考えを捨て貪瞋痴(とんじんち)の三毒に惑わされず正しく考えるです。
貪(とん)とは、貪欲(どんよく)に際限なくあれこれ欲することです。
瞋(じん)とは、不快なものに対して怒ったり、妬んだり、恨んだりすることです。
痴(ち)とは、無知であることで常識知らずで自己利益しか考えないことです。
正語とは、嘘をついたり悪口を言ったりせずに、その場や相手に合わせた言葉を使う事です。
正業とは、貪瞋痴(どんじんち)の三毒を慎んで正しい行いをすることです。
正命とは、他人に迷惑をかけることなく規則正しい健全な生活を送ることです。
正精進とは、必要な努力をつんで励むことです。
正念とは、雑念をはらい心を安定させ常に真理を求める心を忘れないことです。
正定とは、精神を統一して心を安定させ煩悩を消して迷いを無くすことです。
私は整体院の経営をする中で売り上げという煩悩に囚われがちです。
そんな時に思い出すのが正精進で、売り上げが少ないからと売り上げのために行動するのではなく、自分の知識や技術を磨くようにしています。
自分が必要とされなければ整体院の経営は成り立ちませんが、必要とされたときに知識や技術が不足していたら本末転倒だからです。
お金が無ければ節約すれば良いだけです。
だから必要とされたときに備えて日々、精進するようにしています。