曼荼羅(まんだら)から見る人生の進み方
曼荼羅とは、密教の経典に基づいた考え方を絵で現したものです。
密教の考え方はお経の中にもありますが、それを絵で現したのが曼荼羅の図です。
大日如来を中心に、諸仏諸尊の集会した状態を示しています。
曼荼羅の中央部分には中台八葉院(ちゅうだいはちよういん)と呼ばれる部分があり、大日如来を中心に東西南北に四仏を描き、その間に四菩薩を八葉の蓮華上に描いています。
〇大日如来
大日如来は中央に位置し宇宙の真理そのものを意味します。
宇宙のすべての存在や事象の中に真理として在るとされています。
東洋医学の太極図では最もバランスのとれた中庸(ちゅうよう)の位置になります。
〇東西南北の四如来
①宝幢如来(ほうどうにょらい)
大日如来の東方に位置して、悟りを開こうとする心を起こす発心を表しています。
悟りを求めて修行を妨げる煩悩や迷妄を退け、大慈悲をもって衆生の願いをかなえます。
東洋医学の五行色体表では東は春も意味し、のびのびと成長する15歳くらいを現しています。
まだ人生が始まったばかりの発陳(はっちん)と呼ばれる時期で、これくらいの時期に多くの人は自分の進むべき道を見据える発心こそが大切になります。
②開敷華王如来(かいふけおうにょらい)
大日如来の南方に位置して、発心から修行を始めた状態です。
修行の努力によって、蓮の花が開くように悟りを開き衆生を苦しみから救い他人のために頑張り励ましてくれます。
東洋医学では南は夏も意味し、鮮やかに花が咲き乱れる蕃秀(ばんしゅう)と呼ばれる時期です。
心身ともに最も充実し何でも挑戦する修行の時期とも言えます。
③無量寿如来(むりょうじゅにょらい)
無量寿如来は西方に位置し、飾り気がなく深い瞑想に入って真理を理解した悟り(菩提)を開いています。
別名は阿弥陀如来で、無量寿如来の光にあえば一切の苦から免れるとあります。
臨終に際して迎えに来てくれる如来でもあります。
東洋医学から見れば西は秋を意味して容平(ようへい)と呼ばれ成熟した実を収穫する時期です。
ここまでの人生で学び磨いたことを使って人生を豊かにしながら終わりも考え出す時期でもあります。
④天鼓雷音如来(てんくらいおんにょらい)
大日如来の北方に位置し、菩提(真理を理解した)から涅槃(煩悩を打ち消した)に至った状態です。
雷鳴のように人の心に響かせて、自分が得たものを教えて衆生を導きます。
東洋医学から見れば北は冬を意味して閉蔵(へいぞう)と呼ばれ、無駄なものを切り捨てて次代の準備をする時期です。
自分が学びえたことを次の世代に伝えて、次の世代が花開けるように導く時期でもあります。
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