マンガで東洋医学を考察シリーズ⑥鬼滅の刃で呼吸を考える
呼吸は気(代謝)を高めるのに必須の行為です。
気(代謝)を高めるというのは自律神経を整えることにもつながります。
呼気時には副交感神経が刺激され心拍数が減少し、吸気時には交感神経が刺激され心拍数は増加します。
呼吸を極めると色々なことが出来るようになります。
出血している炭治郎に煉獄が「呼吸を意識すれば止められる」とアドバイスします。
止血をしたい時には交感神経を高めてドーパミンを分泌すれば、筋肉が収縮して傷口を押さえるので出血が止まります。
さすが柱のアドバイスです✨
また吸気が深くなれば心拍数が増加し気(代謝)が高まるので回復力が上がります。
気(代謝)が高まり極端に交感神経が優位になれば万力の握力を発揮することも可能ですが、極端に交感神経が優位になれば普通なら失神してしまいます。
無惨戦で伊黒のように強く手を握りしめることは、気(代謝)を高めて交感神経を優位にするのに効果的と言えます。
痣(あざ)が発現する際には体温が上がって心拍数が増加するといった無一郎の指摘は極めて的を得ていたと言えます。
ちなみに呼吸の仕方によって心拍数が増減する現象は呼吸性洞性不整脈と呼ばれ、健康な方であれば誰でも起こります。
ただし一般的に一生における心臓の拍動数は決まっていると言われるので、無理に拍動数を高めると寿命を縮めるリスクがあります。
痣持ちの剣士は早死にするというのは、寿命となる心臓の拍動数を終えたということになります。
最近の研究では1分間の脈を測ると寿命が分かると言います。
1分の心拍数が60回で約73年、70回で約63年、80回で約55年になるとのことです。
鬼滅の刃では痣の発動条件が心拍数を200回以上に上げるとのことでしたから、20代で多くの人が死んでしまうのも納得です。
継国縁壱が80歳まで生きられたのは、心臓が強かっただけでなく普段の過ごし方もポイントだったのです。
東洋医学における理想の精神状態は中庸(ちゅうよう)です。
悲しくても悲しみ過ぎず、嬉しくても喜び過ぎない精神のあり方です。
縁壱のように感情の起伏は少ない方が心臓への負担は少なくなります。
未来に対しても過剰に心配をし過ぎたり期待をし過ぎない精神のあり方が中庸です。
東洋医学の考え方では、気(代謝)は低いと問題だけど高すぎるのも問題としています。
気(代謝)を高めすぎると寿命を縮めるということを経験的に分かっていたのかもしれません。
だからこそ楽しいことばかりを求めずに、辛いときでも悲しみすぎないことが心身の健康には大切なのです。
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