見出し画像

✅20代女性【昼夜なく大声で叫ぶ祖母】を選択理論でコーチング人生案内#74

「20代の女性。同居している祖母が、足を痛めて寝たきりになりました。最近は朝も夜も関係なく、痛い痛いと大声で叫び、家族が眠れない状態が続いています。」

 痛み止めを飲んでいますが、効いていないのか叫ぶことをやめません。もう少し静かにしてくれと頼んでも、口から出てしまうからしょうがないと、余計に大きな声で叫びます。もうわざとなのではないかと疑いたくなります。先日、家族に迷惑をかけたくないと、母親に包丁で刺してくれと訴え始めました。

 祖母は元々、認知症や寝たきりの人をばかにしている節がありました。もしかしたら現状が許せないのかもしれません。どんな思い、考えがあるのか分かりませんが、その言葉は許せないです。これ以上祖母を嫌いになりたくないと思いますが、無理です。もうどうしたらいいのか、わかりません。(神奈川・Y子)

(2022年4月3日読売新聞朝刊)

次を参考に「相談者の答え」を引き出す質問を自由に考えてみてください。


【相談者の困りごと、願いごとを考えましょう】

相談者の「困りごと」

・祖母が寝たきりになり、朝も夜も関係なく、痛い痛いと大声で叫び、家族が眠れない状態が続いていて、困っている。

・祖母が痛い痛いと大声で叫んだり、「家族に迷惑をかけたくない、包丁で刺してくれ」と訴え始めたことなど、自分は祖母の言葉が許せなくて、祖母が嫌いになってきており、困っている。

・今の状況に対して、どうしたらよいかわからず、困っている。

相談者の「願いごと」

・祖母が昼夜無く大声で叫ぶことが治まり、家族が眠れる状態になりたい。

・「祖母の言葉が許せなくなっている自分」に対して、こんな自分でいいのかどうか、自分との折り合いをつけたい。(推測)

・今の状況に対して、自分はどうしたらよいのか、家族はどうしたらよいのかを知りたい。(推測)

【ふだん使いがしやすいコーチングモデル】

①「相手の行動を変えられるのは相手本人であって、
他者は助言や情報提供、リクエストができるだけ」
と考えてみましょう。

②「自分の考え方や見方、行動は、自分が自由に選択
できるし、変えられる」と考えてみましょう。

③「自分には、自分が幸せになるために行動する責任
がある」と考えてみましょう。

  

【相談者の困りごとのパターン】を考えましょう

・「痛い痛いと昼夜無く大声で叫ぶ祖母」「家族に迷惑を掛けたくないから、包丁で刺してくれと訴える祖母」に、自分たちが振り回されて困っている。

・「祖母の言葉が許せなくなっている自分」に、自分が振り回されて困っている。

・今の状況を、自分や家族がどのように対応したらよいのかが分らず、困っている。(自分たちの願っていることがわからず、困っている)

 

以上を参考に、ここで、みなさんのコーチング質問を考えてみましょう。

 

【心に響く回答者(最相葉月さん)の言葉】

まず最初に、薬が適切かどうかを主治医に確認してください。薬に問題がなければ、認知症の可能性を考えたほうがいいでしょう。

 認知症になるとさまざまな症状が表れます。記憶をなくす、 徘徊はいかい する、人の顔がわからないなどがよく知られていますが、叫ぶことも周辺症状の一つです。

 考えていることをうまく言葉にできないもどかしさや、ないものが見える恐怖などいろいろな理由が考えられます。あなたがいうように、自分が ばかにしていた状態になるのが怖くて、大声で闘っていらっしゃるのかもしれません。

 家族は大変ですが、同様の経験をもつ人の手記を読むと、叫びに込められた 想いに近づけるはずですよ。

 健常者でも寝入りばなや起きる直前の眠りが浅い時に金縛りに遭い、息苦しくて大声をあげることがあります。私にも経験がありますが、自分の声で、もうろうとした脳を覚醒させようとしているのだと思います。

 高齢になると眠りが浅くなって、頭がもやもやする「せん妄」も出現しやすくなるので、不安のあまり叫んでしまうのでしょう。

 大丈夫よと声をかけてあげてください。上半身だけでも定期的に動かすなど、生活にメリハリをつけることも大切だと思います。

(2022年4月3日読売新聞朝刊)


私は次のような質問を考えました(ご参考まで)

・今の状態がどのようになったら「解決した状態」といえるのでしょうか。あなたや、ご両親のあいだで、いろいろなパターンがあると思いますが、よく話し合われてください。

・今も本当に大変な状況だと思いますが、小さな子供のような、分別のない祖母の言動が、今よりもっとひどくなったら、そのときは、そのような状態になったことを、それはそれとして受け入れて、ご家族は(警察沙汰にならないためにも、)どうされるでしょうか? 

・医師との相談、介護の相談窓口や、行政、医療の相談窓口など、客観的な立場からの支援やアドバイスは十分に求められましたか? 

・祖母が医療などの支援を受けながらも自分から変わることがない限り、周りの人が「祖母を変える」ことは困難だと思います。それはそれとして受け入れざるを得ないと諦めたとき、これからの自分たちの状況を少しでも改善するために、ご家族でどのようなコミュニケーションを取り合うことが必要だと思われますか? そのために、あなたはどのようなことが出来そうですか? どんな小さなことでも、思いつくものを挙げてみてください。そのうちのいくつかできそうなものがあれば、ぜひ、行動に移してみてください。

・「祖母の言葉が許せなくなっている自分」も、「今の状況に精一杯最善のがんばりをしている自分」だと思います。人なら誰でも、今のあなたのような状況に置かれたら、あなたと同じように思い悩むのではないでしょうか。そのように「精一杯がんばっている自分」に対して、どのように応援し、励まし、そんな「けなげにがんばっている自分」に優しくしてあげたいですか? もし、今のあなたと同じような大変な状況にある友人がいたとしたら、その友人に対して、どのような思いやりの気持ちや態度を示しますか。どんなことを言ってあげたいですか?


今回は以上です。難しい問題ですね。

上の質問は、自己対話で使うと、セルフコーチングができます。お役に立てればうれしいです。それでは、また次回。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?