一人の新米指導者が観たリオ五輪予選2015 〜おりひめジャパン番外編〜
2015年のリオ五輪のハンドボールアジア予選を新米指導者の一人として観戦していた時に感じたことを綴ったnote。
韓国との一騎打ち
2015年10月20〜25日までおりひめジャパン(女子日本代表)のリオデジャネイロオリンピックアジア予選が愛知県で開催された。三重バイオレットアイリスからも原と池原(当時)がおりひめジャパンの一員として五輪切符を獲得すべく日の丸を背負って闘ってくれた。
10月25日、アジア予選最終日。共に3戦全勝同士の日本と韓国が一騎打ちだった。韓国に勝てば、40年振りの五輪切符獲得が決まる大一番だったが。結果は残念ながら、勝利には至らなかった。
日本(JPN) 21 (11-17, 10-18) 35 韓国(KOR)
3試合通しての空気感
僕は21日の中国戦、24日のカザフスタン戦、そして大一番25日の韓国戦、合計3試合の応援に行ってきた。21日の中国戦は平日という事もあって、会場の入りは疎らだった。
おりひめジャパンの勝利という結果そしておりひめジャパンからの熱量、そして新聞、テレビ、インターネットなど各メディアで連日のように取り上げられたこともあって24日のカザフスタン戦、そして25日の韓国戦とぐんぐんサポーターの数は増えていった。
24日のカザフスタン戦、苦しみ抜いた末に1点差で勝利。いよいよ40年振りの五輪に王手という状況。
何と言うか「いけるぞっ!!!」っていう空気感と言うか熱量を感じていた。ハンドボールの代表チームの結果にこんなに期待感を持ったのは僕は初めてだった。「行ってくれ。頼む」って思っていた。ほんまに。
僕は2008年の中東の笛・再予選の時は日本にいなくて、ドイツだったのもあってあの時の盛り上がりってのは体感できていなかった。
だから、今回なんと言うか、代表チームが勝っていくとこんな風に空気が変わっていくのかって、すげーなって純粋に感じていた。規模はまだまだ及ばないかもしれないが、ラグビーのW杯(イングランド大会)での活躍を見た後だけに、尚更そう感じていた。
そして25日の韓国戦は5000人を超える観客が会場を埋め尽くした。(満員御礼で会場に入る事ができなかった人もいた。)
そして試合直前、おりひめジャパンが横一線になっての国歌斉唱。会場も全員が起立&脱帽。これに勝てば五輪が決まるっていう期待感。韓国が強いことは全員分かっているけど、やってくれるんじゃないかって言う期待感。その場を共有できているっていう何とも言えない高揚感。
これぞ、五輪切符をかけた大一番、日本代表の試合。って感じだった。自分が監督を務めるチームから2名の選手がおりひめジャパンの一員として日本の未来をかけてこれから闘うのかと…。原、池原の背中を見ていて本当に誇りに思った。
前述の通り、結果はけして満足のいくものではなく、今回のアジア予選で五輪切符を獲得することは出来なかった。本当に韓国は強かった。
カザフスタン戦終了後の原&池原の様子
実に初々しい、カザフスタン戦後の原と池原の様子。
少しだけ、ここでよもやま話。
僕の記憶が確かであれば、コレは高井さん(マークスリーデザイン)が手がけた初めてのハンドボール動画ではないだろうか。
この後の日本選手権やJHLで高井さんがMVIの動画を撮りだすのはもう少し後の話。
試合後に感じていたこと、そこからの今
おりひめジャパンのメンバーの多くは、日本リーグあるいは日本リーグを経験して海外リーグでプレーしている(当時も、今も)。日本リーグで指導者をさせて頂いている重みを改めて感じた。日本一を目指して闘うその先までしっかり見据えていかねばと改めて強く感じた。
原や池原、当時はまだどちらかいうと期待の若手というような位置付けだったのかもしれない。石立はこの時、ハンガリーを拠点に活動し、正真正銘の日本の司令塔だった。
原が次の日本代表の主将になるとか、池原が海を越えてデンマークに行くとか、石立と同じチームになるとか、夢にも思ってもいなかったころの話。