東京オリンピック・パラリンピックを開催します
4度目の緊急事態宣言発令の中、東京オリンピック・パラリンピックが開催される運びとなりました。
聞こえてくるのは「暴挙」という名の誹謗中傷ばかり。
これに先立ち、国のリーダーがこんな声を上げていたら・・・
という思いでスピーチをひとつ書いてみました。
speech🎤
本日私は日本国総理大臣としてひとつの決意を国民の皆さまに述べさせていただきます。
現代社会において、発言に対する反響のスピードを身をもって体感するにつれ、記者会見等発言の場において萎縮しがちになる昨今ではありますが、今回は責任ある身としてはっきりと宣言いたします。
東京オリンピック・パラリンピックは開催いたします。
理由はこれから申し上げます。拒否反応が起こる前に予め言っておきますが「理想論」と「精神論」が中心となります。
◆ ◆ ◆
生きるために不可欠な3要素は「衣・食・住」だとされています。健康的な食事をし、社会的に相応しい衣服を身に纏い、暑さ寒さ雨風を凌ぐ住居に身を置きより快適な生活をする為に皆さんは頑張っていらっしゃる。
その中に「健康」と「医療」というファクターが入ります。健やかな生活を守りたいという想いは人としての基本的な欲求です。健康であってこそ人として最低限の行動が取れると考えられます。
今、その健やかな生活を脅かす目に見えない危険が渦巻いています。国民の皆様は自粛という名の耐え忍ぶ生活の中に身を置き、医療従事者の方は昼夜問わず懸命に走り回っておられます。
なぜこのタイミングで、なぜこの状況で、とお思いになられている方が大半かと、私も肌で感じております。
ここで話をガラリと変えます。
「豊かな生活」ってなんでしょう。
先程お話しした衣食住の揃った健やかな日々が最低限度だとすると、例えば好きな歌を聴き、好きな映画を鑑賞し、好きな本を読み、好きな場所で寛ぎ、好きな時にゆっくりと休む。そんな自分が想像できませんか?
大事なものをひとつ忘れています。
好きなスポーツに興じること。
自らプレーするか、観戦するかで誰しも1つは贔屓のスポーツがおありかと思います。
プレーされる方は、その爽快感と力がついていく過程の達成感の虜になっていることでしょう。
観戦される方は、プレイヤーの身体能力と技術の高さに魅了されていることでしょう。
4年に一度世界のどこかの国で開かれるアマチュアスポーツの祭典が、1年遅れで我が国で開催されるチャンスが今まさに目の前にあります。
世界最高の祭典ゆえに世界最高の準備が進められてきました。お金の問題ばかりかクローズアッされていますが、世界最大規模のスタッフとアスリートがありったけの力を注ぎ、同じ数の強い思いが渦巻きます。
もう止められません。
止めてはいけません。
止める意思が私にはありません。
〜新型コロナの感染を拡大させない〜
これがこの大会の隠れたスローガンであります。
アスリートの皆さんの活躍は、その殆どがテレビ等のメディアを通してご覧になることとなるでしょう。華やかさを保ちつつ、極力人流を抑制する策を講じてまいります。
楽しみにしていたイベントの中止や自粛等で鬱屈した思いをされた方においては、
「オリンピックはやるのにどうして」
と唇を噛んだことでしょう。感染対策が隅々まで迅速に行き渡らなかった責任の一端は政府にあり、頭を下げるしかありません。
しかし、ここで大きなイベントを行う意義をこう申し上げたい。
「感染を拡大せずに経済を回すモデルケースを構築する」
ここにあります。
我が国は1億人以上の人々が経済活動を活発に行う国家です。止めるより動かすことでこの波を乗り越えたい、いや乗り越えなくてはならない。
五輪閉幕後に感染拡大が起こらなかったなら、今回のノウハウを基にイベント等の規制緩和を順次行っていく予定でおります。
安心・安全を守りつつ豊かさを取りもどす。
できると信じています。
できなければいけないと感じています。
ここまでお聞きいただき、ありがとうございました。
END
私自身オリンピック推進派ではありませんが、閉幕後みんなの気持ちが上向きになってくれることを願うばかりです。
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