看板の人
2年前の線香花火
先に火が付いて、日頃の行いー!って
夏の希望は笑っていた
ぼくらを裸にしてくれた夏が終わろうとしている
この夏のはじまりはぬるかった
何もかもが気持ち悪かった
行きそびれてしまった海の家の立ち上げも
本当は僕を待っててくれていたのに
そうとも知らずに鬱陶しいだけになった汗をだらだら
流しながら職場のメイヤーになろうとしていた
台風は街も予定も破壊して
見たがった未来を連れてきた
心の朝子にまだ寝てはダメだと呼びかける
彼は私の中の「看板の人」だった
私にとっての48時間のDVDが、無駄に広い部屋が
間違いなくあった
多分今もまだ
夏にもこの海にも分からないことがきっとある
私にとっての焼きそばはなんだったんだろう