「なんて新しいんだ!」と思ったモノが江戸時代から存在していた
とある花火大会に行ったところ、生まれて初めて見る花火があった。
係の人が何かを川に投げ込んでいると思ったら、それらはバチーンと爆竹のように弾け、赤や緑の光をバチバチと発しながら、まるで魚のように水面を泳ぎ始めたのである。
そのとき、BGMとして流れていたのは『崖の上のポニョ』。
その花火はまるで自由なポニョのように、川面をあちこちへ向かって泳ぎ、私を含めた観客の人々は感嘆の声をもらしていた。
「世の中にはこんな花火があるのか!」と新鮮に驚き、今の技術では水面を泳ぐ花火なんてものも開発できるんだな〜と思っていた。
翌日、水の上を走る花火を思い出しながらなんとなく画像検索したところ、「金魚花火」がヒットした。
検索結果に表示された画像を見ると、まさに私が見た花火である。
そこからさらに調べていくと、「愛知県岡崎市で1822年頃に開発」という情報が出てきた。
オイッ 江戸時代からあるやんけ!!
「新しい花火だ〜」と私が呑気に思っていた花火は、今から200年前に生まれた存在だったのである。
えー、だって知らなかったんだもん。初めて見たんだもん。
故きを温ねて新しきを知る──という話でもないな、これは。
知らないものは新しいものなのです。
今までの自分の経験や知識の中にはなかったものと初めて出会うと、「新しい!」と感じる。
私にとっては金魚花火がそうだったけれど、そういうモノっておそらくこの世に数えきれないほどあるんだろうなと思った。
とすれば、実は今現在で困っていることや悩んでいることの答えが、今から何百年前・何千年前に生まれたものの中にあるかもしれない。
だからこそ、「学問」や「伝統」と呼ばれるような、昔から積み上げられてきた「知恵のかたまり」を知ることが大事なのだろうな。
あー、それこそが温故知新ですね。なるほど、理解しました。