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人気の企業と成長力のある企業はイコールではない!?~アクティブ/インデックスファンドの比較から見る企業価値~

人は車を購入するために、異なるモデルや機能、ブランドを比較するのに何時間も費やすことがよくあります。しかし、貯蓄や投資のような、生きていく上での資産設計に関しては、多くの人がそれほどの時間をかけていません。本来、人生の資産設計は車を買うことよりも私たちの生活に大きな影響を与える可能性があるにも関わらず、です。

最近では新NISAの導入により日本でも投資を考える人が増えており、これは良い兆候だと感じます。しかし、人々は実際のところ何に投資しているのでしょうか?

日本で人気のある投資信託上位5つのうち、4つは外国株に投資するインデックスファンドで、主にS&P 500を指標としています。この傾向は日本だけではなく、世界的にも見られていて、世界中の多くの個人マネーがS&P 500に流入しています。

2024年10月現在、S&P 500に投資することは、あなたが投資したお金の約30%がApple、Microsoft、Amazonをはじめとするハイテク6社に投入されることを意味します。そしてそれは次のような、重要ないくつかの質問を提起します:たった数社に、これほど多くの資金を投資するのは賢明なのでしょうか?その投資は実際の価値に基づいているのでしょうか?

ある意味では、これら企業の高評価は正当なものと言えます。彼らは事業体として急成長しており、投資が増えるにつれて株価も上昇し続けています。しかし、これは2007年、米国で多くの人々が自身の支払い能力以上の住宅ローンを組んだことにより発生した「サブプライムローン問題」を思い起こさせます。後々になってローンを返済できない人々が出てきて、住宅市場は崩壊し、結果的には深刻な金融危機を引き起こしました。

では、株式市場でも同様のことが起こったとしたらどうでしょう?人々がS&P 500への投資をやめたらどうなるのでしょう?株価の上昇なしに、これらの企業は成長を続けることができるのでしょうか?
もし成長が止まったら株価は下落し、(実質たったの6社に)退職金を投資した人々にも影響を与えることになります。

ここでアクティブファンドが役立ちます。調査の手間がかからず市場指数と連動させるため、少ない手数料で運用されるインデックスファンドとは異なり、アクティブファンドは慎重な調査を伴うため、そのための費用が多くかかります。しかしその分、さわかみファンドでは短期的な投機による株価の上昇に依存せず、自らの力で成長できる「強い企業」を発掘することに重点を置いています。例えば高いブランド力、知的財産分野における強み、または強固な流通ネットワークなど、入念な調査をすることで市場競争力が高く、成長力のある企業を探しているのです。

当社アナリストは企業の成長力が長期間持続することを確認するために、企業の経営者や取締役に直接会って話を聞きます。株価だけに焦点を当てるのではなく、実際のビジネスパフォーマンス、すなわち企業の実体価値を研究します。そうして市場価格が、運用調査部が考える企業の真の価値を下回ったとき、ポートフォリオに組み入れます。企業の実体価値に焦点を当てることで、さわかみファンドではインデックスファンドが常に提供できるとは限らない「安定した長期的なリターン」をお客さまに提供することを目指しています。

Long Term Investing is a peaceful yet powerful force. Together, let’s thrive it in Japan.
運用調査部 シャルル サルヴァン Charles Salvan