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株価の適正価格とは?~企業の本来価値を見極める方法~


導入:何も考えずに投資していませんか?

 株式投資を始める方にとって、株価が高いのか安いのかを見極めることは非常に重要です。企業の決算やニュースで株価は絶えず変動しますが、こうした短期的な動きに振り回されないためには、企業の本来の価値を理解し、その価値に対して株価が適正かどうかを考える視点が欠かせません。
 今回は、長期投資を生業とするさわかみ投信が、どのように「適正な株価」を考えているのかをお伝えいたします。ぜひ最後までお付き合いください。

本論1:株価とは何か?

 まずは株価について考えてみましょう。株価とは、言うまでもなく企業の価値を表しているものですが、分解して考えると「株価=企業が生み出す利益×投資家からの期待度」と捉えることができます。企業の利益は、過去の実績や将来の見通しに基づいた具体的な数字で表すことができますが、投資家の期待は移ろいやすく、ちょっとした出来事で大きく変化します。時には、企業の実力がまだ備わっていない段階で期待だけが先行し、株価が過剰に上昇することもあります。そして、その期待が失望に変わった瞬間に急落する――これが、株式投資が時折ギャンブルのように見られてしまう理由の一つと言えます。

本論2:適正価格はどうやって考える?

 私たちさわかみ投信は、株価の適正価格を判断する際に「期待」ではなく「利益」に着目しています。具体的には、企業が10年先までに生み出す利益や、バランスシートの状況を予測し、その企業の価値を評価します。この際、企業のビジネスモデル、競争優位性、財務情報、業界の動向、成長ストーリーなどを深く理解することが不可欠です。
 また、企業は日々変化し続ける生き物のような存在です。そのため、企業の成長を見極めるには、継続的な情報収集と分析が欠かせません。企業決算や新事業の進展、業界の変化を常にウォッチし、企業価値を精査することで、今の株価がその企業にとって割安なのか、割高なのかを判断します。こうして得られた「適正価格」の考え方は、非常にシンプルですが、投資を行ううえで重要な軸になります。適正価格を理解することで、株価が上昇しすぎた際には「割高」と判断して売却し、反対に株価が過度に下落した際には「割安」と判断して積極的に買い増しすることができます。このような投資姿勢が、短期的な株価変動に惑わされることなく、冷静な投資を実現する肝となります。

本論3:適正価格を見極める意味はあるのか?

 ここまでお読みいただき、「果たして適正価格を見極めることに意味があるのか?」と疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。確かに、株式市場は時折予想外の動きを見せるため、株価や企業価値を完璧に予測することは誰にもできません。しかし、私たちは継続的な調査と分析を行い、市場が誤って評価している企業、いわゆる「ミスプライシング」を見つけ出しています。株式市場では、1年先の利益予測をもとに株価が決まることが多いようですが、さわかみ投信の長期投資は、もっと先を見据えています。企業が5年後、10年後にどのように成長しているのかを見極めることで、短期的な株価の下落をむしろチャンスと捉え、割安な時期にしっかり投資を行い、企業の価値が市場に認識されるまで待つ。これが私たちの投資スタンスです。

結論:長期投資に必要な視点とは?

 株価の適正価格を見極める作業は、決して容易なものではありません。不確実な要素も多く、時間がかかることもあります。しかし、長期的な視点で企業の本来の価値を理解し、その価値に対して株価が割安なときに投資するという姿勢こそが、長期投資において重要だと考えています。株価は短期的には市場の動向によって大きく変動しますが、長期的には企業の本質的な価値に近づくものです。目先の値動きに一喜一憂せず、企業の本質を見極め、成長を信じて待つことが大切です。一方、日々の仕事をしながら企業分析を行うのは、多くの方にとって難しいと感じられるかもしれません。そのようなときは、さわかみ投信のような運用会社に任せてしまうことも一つの選択肢になると思います。
 最後にお伝えしたいのは、長期投資で大切なのは「時間を味方につける」ことです。短期的な株価変動に惑わされることなく、企業の価値を信じ、長期的な成長を待つ姿勢こそ、長期投資の本質だと考えます。

長期投資の魅力にひかれ新卒で入社しました。若さを武器に、全力で邁進します!
運用調査部 村瀬 翔 Sho Murase