あの夏、僕は、大戦犯になった。
あの夏、快進撃を続ける弱小県立校が挑んだ、強豪校との延長戦の死闘を終わらせたのは、目を瞑り、空を眺めているこの僕である。
今から9年前、2011年夏の全国高等学校野球選手権兵庫大会、いわゆる甲子園予選での出来事。
僕の高校は良くも悪くも普通の県立校。偏差値が高いわけでもないし、スポーツが特別強い高校でもなかった。もちろん野球部も例外ではない。
今までの歴代最高で3回戦進出。ベスト32にでも入れば高校新記録と言う平凡な野球部だ。
2年の秋の大会ではなんとか県大会に進むも、