故郷で育った演奏家たちを、故郷で支える。そんな温かなコンサートを
2023年5月に、私の故郷である京都府福知山市のお隣にある舞鶴市において、舞鶴出身の京都市立芸術大学の学生たちによる『母の日ファミリーコンサート』を主催することとなりました。
コントラバス奏者であり、京都市立芸術大学2年生の小野さんから『現役で京都市立芸術大学に在籍している舞鶴出身の学生がいる』と聞いたとき、すぐにこの企画をしたいと思いました。
それは、私が地元の人たちに愛されるアーティストを育てていきたいと考えているからです。
しかし、なぜ地方には地元のアーティストが少ないのでしょうか?
それは、地方で生まれ育ったアーティストがいても、学びや活動の場を求めて都会の大学に行き、そのまま都会で活動することが多いためです。
もちろん一部の演奏家は都会と地元の両方で活動を行なっていますが、演奏家自身が企画する公演は聴きに来てくれるお客さまがいないと費用的には赤字になり、準備には色々と手間もかかり大変であることから、どうしても積極的にできないのが実情です。
そして、現在様々な主催公演を行なう中で、特定のアーティストを何度も呼ぶことは、公平性やより多くのアーティストの活躍機会をつくるという観点からも難しいと感じています。
また、公共ホールはなぜ地元のアーティストを起用した公演を積極的に行わないのでしょうか?
実際にホールの経営を考えると、どうしても集客できるアーティストを呼ばざるを得ないこともあり、地元で活躍している&地元出身のアーティストがいたとしても、集客力がなければ公演を依頼するのは難しくなります。
では、アーティストの集客力が少なくても、魅力ある企画で集客すればいいのですが・・
その場合は企画力を持ったスタッフが必要となり、地方の公共ホールにはそのようなスタッフがいないことも多々あります。
特に地方はスタッフ人材が不足しており、地元のアーティストが活躍出来る場所も限られていることが多いのです。
このような状況の中で、私が目指しているのは下記のような形で地元(または地元ゆかり)のアーティストを起用し『音楽が聴きたい』と思っていただくだけではなく、『あの人の演奏が聴きたい』と思っていただけるような企画内容と人に魅力を感じていただける内容を届けることです。
今回のコンサートは、弊社で去年立ち上げた『Music discovery』という事業の一環として行い、演奏家が音楽と向き合うことを通して、自分自身と音楽の魅力を改めて認識し、その魅力をお客様に届けることを目的としています。
また、チラシやパンフレットの制作、チラシの配布、広報、当日のステージマネージャーや受付スタッフの手配などは全て私が代表を務める(株)ロカテルで行うことで、よりよい音楽をお客様に届けることが出来ると考えています。
参考:ロカテル音楽事業内容
なお、今回はトークを通して皆さんのお人柄や、音楽に対する想い、楽器のことなど色々なことを伝えてほしいと思っています。
トークなんて必要ない。音楽だけを聴いてほしいという演奏家の気持ちも分かるのですが、学校公演や福祉施設での演奏、パーティーでの演奏など、地域でお金をいただく仕事のほとんどは必ずトークが必要になってきます。
また、昨年、調布国際音楽祭にスタッフとして参加した際に、題名のない音楽会に出ているようなアーティストたちの事前告知動画の撮影を担当していると、前もって何も伝えていなくても皆さんしっかりとお話される姿に驚きました。
今回出演される皆さんがこれからどのような演奏家になっていかれるかは分かりませんが、それでもトーク力を持っていることが音楽活動を妨げることはないはずです。
お話される内容に関しては事前に確認させていただいて、よりお客様の心を掴むような内容にするお手伝いをさせてもらえたらと思います。
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