#恋愛エッセイ
寅さんになりたい。その5
高校時代、タイソンというあだ名で呼ばれていた。
髪質がくせ毛で、親にくせ毛であることの証明書を学校側に書いてもらっていた。そんないきさつもあり、手入れが面倒くさかったこともあり、短めのスポーツ刈りにしていた。
短いチリチリ頭。そう、当時人気だったボクシングのヘビー級王者、マイクタイソンの髪型みたいだった。
しかも、頭の形や小さな目も似ていて、おまけに背も低いので、自分でもタイソンの雰囲気あるなぁ、
寅さんになりたい。その4
中学校三年生になって、僕の状況は好転する。
僕の初恋の相手Yさんと同じクラスになっただけでなく、男友達やクラスメイトにも恵まれて、僕の学生生活で一番楽しい一年を過ごすこととなった。
Yさんとは、結局ただの仲の良いクラスメイトだったけれど、クラスみんな仲が良くて、学校に行くのが楽しかった。
中学校も最終学年であり、みんなそれぞれ、自分の進む道を模索しながら学生生活を送っていたように思う。
かく
寅さんになりたい。その3
自分の周りの状況が変わると、すぐには上手く馴染めず、殻に閉じこもりがちになる癖が僕にはある。
それは今でも変わらない。
中学生になった僕は、その例にもれず、暗い中学校生活を送ってた。
仲のいい男友達と、その友達の家で、当時流行ってたファミコンのゲームばかりやっていた。
友達の1人が、お姉さんの影響でか、最新の邦楽ロックやポップスに詳しく、ゲームをやりながら流行りの歌をよく聴いていた。
そんなな
寅さんになりたい。その2
小学校の頃は、特定の好きな子はいなかったように思う。
クラスの可愛い子とかを見て、かわいいなぁ、と普通に思っていたけれど、特に好きと言いたくなるほどでもなかった。
クラスでは、僕はおとなしいグループだったので、そんなに目立つこともなかった。
話しかけてくれる女子も、やはりおとなしい女子が多く、当時からひねくれ者の僕は、しょせん僕にはかわいい女子は高嶺の花、と、決め込んでいた。
そんな僕だったが
寅さんになりたい。その1
幼少の頃、僕らの住んでいたアパートの隣に、僕のお姉さんがいた。
お姉さんと言っても、本当に血が繋がってる訳じゃなく、幼い僕をとても可愛がってくれた、隣の家のお姉さん。
ちょっとぽちゃりで、優しくて面倒見が良くて、僕の恋愛観に、きっと多大な影響を与えた人。
今でこそ惚れっぽくて、色んなタイプの人を良いなぁ、と思うようになったけど、僕の恋愛は、もう会うこともない彼女の後ろ姿を追うようなものだったか