人間はこれ以上進化の仕様がない?いやいや、まだまだ、その余地はいっぱいあるでしょう。その一、話すことについて。

創作物の中で、人間と言う種は、進化の行きついた先のように描かれることが少なくありません。だから、その先があるとすれば、超能力などの特殊な能力がそれだとして様々な作品で展開されています。わたしが今、パッと思い出せるのは、映画X-MENシリーズ、田辺イエロウ作の漫画BIRDMEN(小学館)ってところです。(少ないですね。もっと色々あったと思うのですが‥‥思い出せない。悲しい。)でも、最近、「いやいや、まだまだ、動物的なところがいっぱい残っている」と思うようになりました。

みんなが元気に楽しく、勇気やる気を持って人生を生き抜けるようになる世界、そんな世界へたどり着くことを考えたら、今現在はまだまだ道半ばです。

最近、人間関係について、『察して欲しい』派と、『話さなきゃ分からない』派とで分けて考えるSNSでの発信を目にしました。
これ、分からないでもないですし、察することができたら素晴らしいですが、よく考えるとおかしいです。多様性を認めようとする現代、ますます多種多様な価値観や環境があることが分かってきました。SNSから一次情報の発信が増え、国内の身近なところでも、意外な多種多様性があることが分かってきました。
例えば、男性なら分かりやすいのは、女性が如何に細かく、悪戯や一瞬の暴力にさらされているかの情報です。込み合った路上で女性にぶつかり続ける男の後姿をYouTubeで見た時は驚きました。作り物かと思いましたが、どうやらそうでもなさそうです。それから、苛立ちのはけ口にされているような一瞬の恐怖体験、犯罪として立件するには無理がありそうな被害の体験談はいろいろ目にするようになりました。
それに親族間でもそうです。一緒に長く生活してきた親族を一介のただの社会人として見た時、育った時代・環境の差はやはり無視できないほどに存在していることを大人になって徐々に知ることになりました。


察して欲しい、場合について。
それは、どうしたって自分の状況を理解してもらっている必要があります。しかし、その二人の間に横たわる違いは少なくも小さくもありません。

親子間なら、生きる時代の差が引き起こす感覚の差が問題です。なかなかに大きいですね。男女間なら、そもそも体内に存在する臓器の違いがもたらす感覚の差がありますが、その大きさに気付いていない人がまだまだ大多数ではないでしょうか。これらはいつの時代にもありましたが、社会の変化も行動範囲も小さかった昔にも察することをみんなに求めるのは無理があったはずです。それが社会の変化が大きく、関わる範囲もグローバルになっている今現在、個人の多種多様さも認めようとしているのであれば、例え、それが近しい人に対して限定でもあっても、大変難しいのは、明らかではないでしょうか。
つまり、分からないのを前提とすべき。まず、これから先の未来を生きていくのであれば、言葉にすることを選択すべきでしょう。察することを求めるのは、考え方の違いと言うより、価値観の種類が少ない前世紀でやっと成り立っていたような古い考え方だと思われます。

もちろん、言葉が、会話が、完全無欠のコミュニケーションとは言いません。あくまで相手も、表情や声音、前後の行動や様々な情報に触れて勉強し、察する努力は必要だと思います。

それでも、まずは、分かってほしいのであれば、自分の内面を言葉にする努力を怠ってはならないでしょう。それをしていないと、必要を感じた時にも言葉にできませんよ。言葉は努力しないと自分の感情を表現することもできません。ある行動について、どうしてそうしたのか、何が自分の中で起こったのかなど、自分の内面を自分で理解することでもあるのです。

そして、日本人であれば言葉を十分に使えているというのは、大きな間違いです。
 国語の勉強もしっかりやっていなければできないことです。辞書を使うように言葉を正しく使えていないと思うように伝わらないことは珍しくありません。(例えば家庭内のローカルルールでこそ使える言葉はありますよね。)

 相手に伝えることは、自分と相手がどう違うかを知っていてこそできることでもあります。それは常々自分と向き合い自分を理解するためにも、他人とも向き合う、そんなことを積み重ねていなければできないのです。

 男女の差によくあらわれる生殖器の違いによる感覚や思考の違いは、単純だけれど、未だに乗り越えられていませんよね。

 発達障害のように脳にも細かな感覚の差(強烈な個性、癖の強さ)があることが分かってきました。他にも、舌で感じる苦味一つでも人によって明確に違うことが論文で発表されたのをYahoo!ニュースで読んだことがあります。

頑張って、自分の内面と他人の内面の違いを知りましょう。そして表現に磨きをかけましょう。そうすれば、おのずと察することの難しさに気付き、相手に言葉で伝えるようになるのではないでしょうか。


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