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「ほたるの夕べ」へ。涼を味わう。

 夫と「最近旅行にいけてない分、たまにはいつもと違ったことをしたいね。」という話になった。

 というのも、前々に立てていた温泉旅行の計画があったのだが、高速バスを使う予定で立てていたのにも関わらず、チケット発行時期になって、その高速バスのルートは今は運行していないことが判明したのだった!と言う訳で、キャンセルしたばかりでの会話である。

 「小旅行にいけなくなった分、近場のホテルで過ごすのはどうだろう?」と言うことに。「でも、東京近郊なら泊まらずにディナーだけ楽しむのもいかがだろうか?」と言う話にもなった。
 「そしたら、庭の綺麗なホテルに行きたいな。」と夫。そんなところから、椿山荘の名前が上がった。

 早速調べてみると、今は夜に庭園にほたるが見られるというコースがあると書いてある・・・!「これはいい!」と言うことで、『ほたるの夕べ ディナービュッフェ』なるコースを申し込んだ。
 これは、椿山荘でホテルディナービュッフェを堪能した後に、庭園に降りていき、散策しながらほたるを観賞できるというコースになっている。東京雲海というのも見所の一つになってるとも書いてあった。うーん、実に楽しみだ!

 当日、我々二人は車で向かうことにした。というのも、それぞれの最寄と思われる駅からはバスやタクシーを使わないといけない距離にあるホテルなので、「それならば我が家の場合は行き帰りのことを考えると車の方が良いだろう」と車で向かうことした。
 気になる駐車場だが、駐車券には今回のディナーだと「6時間無料」という表示に値するのだけれど、受付の方に印字してもらう時には「終日無料です。」と言われ、確かに夕方からのディナーに来ているのだから夜中までいないよね、という話で、「終日無料」と言われたその言葉づかいに私は密かに感動していたのだった。 

 そして、早めに受付を済ませ待合広間で待つこと20分。席に座っていてワクワク・ドキドキ。「どんなお料理が待っているのかな?会場はどんなところなのだろう・・・」
 5分前。開場の案内があった。今のフロアから一階上がった所が会場だった。その広さに圧倒された!これがホテルビュッフェディナーなのね。いつものランチビュッフェとは雰囲気が違うのを感じた。値段も違う訳だ。
 席は案内してもらい、118の席に通してもらった。どちらかといえば窓に面した側だったが、そんなに窓が近かった訳でもないのもあり、料理の方に気が行ってしまい、夜景はほとんど目に入らなかった。

 テーブルの上にはお品がきもあり、『ほたるの夕べ オリジナルがイドブック』などというのもあったが、まずは食事、ということで、飲み放題の飲み物をとりに行き、ビュッフェを思うままに楽しんだ。
 『お客様の目の前で仕上げるライブキッチンメニュー』として、サーロインローストビーフがあった。グレービーソースでいただのだけれど、これがとても柔らかくて美味しかった!
 他にも、チケット引換制の本鮪握り寿司があったり、和食ではひつまぶしがあったり。洋食ではビーフシチューやカレー、冷製コーンスープがあったり。どれも美味しかった。
 ドリンクでは、『蛍のすみか』というノンアルコールカクテルがとても色が綺麗で。蛍の光を思わせるような、爽やかな飲み物だった。

 そんな料理を満喫していたところに、「スクリーンにご注目ください」ということで『煌めく炎の演出!ピーチのコンポート』の演出のナマ配信が始まった。
 会場の照明が暗くなり、ピーチをカラメリゼすることろから始まり、ブランデーでフランベされていく一部始終を見ることができた。ピーチのカラメリゼにまとわりつくブランデーの青い炎はとても鮮やかだった。照明も落ちていたので、この青い炎が一層際立って見えた。
 このピーチのコンポートは食べない訳がない。ということでサーブをいただいてきた。バニラアイスに先ほどフランベしたピーチのコンポートの角切りが載っている。香りが高く、桃もとても甘くて。一口食べて、もうシアワセだった!
 デザートは他にも、『目の前で仕上げる ピスタチオのモンブラン』や『かぼちゃのプリン』などもあった。どれも美味しかった。
 最後はコーヒーで締め、満腹になって外に出た。

 入り口で二次元バーコードをスマホで記録した。これが庭園会場のチケットになるという。そして、庭園まで降りていくと、気持ちの良い風が吹いていた。いい涼を楽しめそうだ。
 入り口前で『東京雲海・蛍 MAP』をもらった(それが上の写真だ)。我々はビオトープまで足を運び、ほたるを見にいった。そしたら、光っていた!「まだ6月なのに、こんなに暑い日が続いてしまって、もう蛍なんてもしかしたらいないのではないか?」と不安に思いながら来ていたので、本当に蛍の光が見られて、感動した!思っていたよりも強く明るい光に驚いた。昆虫って、こんなに明るい鮮やかな光を放つものなのね。
 場所を変えて、池を通り過ぎ沢の方まで行ってみたら、そこにも光っているものが見えた!自然に息づいている蛍の光。幻想的だった。

 東京雲海も素敵なのだろうけれど、車の運転手でもある夫が「疲れた、帰りたい」といい始めたので、仕方なく今回は見るのを諦めた。これで来年も来られる良いきっかけができたと思っている。

 今回、小旅行には行けなくなってしまったのだけれど、その分、近場での涼を楽しむ方法を見つけた。思わぬ「怪我の功名」だった。


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