犬の死とラーメン
今回は完全にプライベートのはなし。
5月30日の水曜日、きゅうきょ新潟の実家にかえった。わたしが中学生のころから飼っていた犬が死んだからだ。
享年16歳2ヶ月で、中型犬だったので、人間でいえば90歳弱か。死因はハッキリしないが、1ヶ月くらいまえからてんかん(発作的なけいれん)を起こしていたときいたので、わたしも家族も「そろそろだな」とはおもっていた。
わたしは看取ってもいないし、しめっぽい話はにがてなので、ここからはわたしがはじめて体験した「ペット葬儀」レポートにする。
立会、個別、合同
わたしの親が申しこんだペット霊園のばあい、葬儀は「立会葬」「個別葬」「合同葬」の3つにわけられる。
「立会葬」はいちばん高いプランで、かんたんな「お別れの式」ののち火葬し、遺族がお骨上げをする。
「個別葬」は霊園が個別に火葬し、お骨上げをして遺族にとどけるプラン。値段的にはまんなかだ。
「合同葬」はほかのペットといっしょに火葬をして、お骨上げから合同碑への埋葬をおまかせする。これがいちばん安い。
あとは、ペットの重さで料金がかわる。わが家の場合は10kg未満だったので、個別葬にして税ぬき3万円だったらしい。もちろん、納骨堂を利用したりお墓をつくる場合は、それぞれ管理費や墓地料金がかかる。
(あと骨壷なども別料金)
ここからラーメンのレポート
火葬は1時間半くらいかかるので、まつ間に家族そろってひさしぶりの外食。近所のラーメン屋にいった。なので、ここからはラーメンレポートに移る。
新潟はラーメン店がおおい。ただ、「これぞ新潟ラーメン」という定番があるわけではなく、あらゆるジャンルのラーメン店がいろんなところに点在している。(車がないとめぐるのはむずかしい)
観光協会が公認している「新潟五大ラーメン」というくくりもある。「煮干しょうゆ」「背脂チャッチャ」「ショウガじょうゆ」「濃厚みそ」「カレーラーメン」だ。
理由はわからないが、私の実家(と霊園)がある新潟市西区・南区は激戦区で、帰省するたびにあたらしいラーメン屋がひょっこりできていたりして、治乱興亡がはげしい。
今回行ったのは「こがね」というお店。国道からわきにはいった住宅街のなかにさりげなくある目だたない店だが、自動車で営業まわりをしているっぽいサラリーマンで席は半分くらいうまった。
あっさりしお系のスープに、ほそちぢれ麺。まるで豚の角煮のようにぶ厚いメンマとたっぷり盛られた岩のりが特徴的だ。
私が注文したのは「背脂らーめん」だったので、そこに背脂が乗っていたが、これがちょっとイメージしてたのとちがった。
見ためはチャッチャ系だが、食べてみると背脂に肉のそぼろみたいなものもまじっている。マズくはないけど、ちょっと塩味がつよかった。普通のラーメンだったら、ちょうどいい塩梅だったのかもしれない。
人と犬とラーメン
さて霊園にもどり、お骨上げ。支払いをし、3時間ほどで葬儀&火葬が終わった。ついでに祖母(こちらも御年92歳)にあいさつをして、新幹線で東京に戻ってきた。
わたしは昨年に義父の死も経験しているが、ペットが死ぬというのはそれにおとらずたいへんなことだ。人のばあい、病院や葬儀会社のひとが手際よくアレコレしてくれるが、ペットの場合は自分たちでアレコレやらなきゃいけない。
たとえばペットの場合は死化粧もできない。
自宅でさいごを看取った母はがんばって目を閉じさせようとしたが、できなかったので、目は見ひらいているしキバものぞいていて、ちょっと顔がこわい。保冷剤を体のしたにひいたりしたが、若干においはあった。
霊園にあったゾウのオブジェ。なぜゾウなのか、家族で議論をよぶ。鼻にすわって写真が撮れるらしい
霊園にいくときも、自分たちで運ぶ。中型犬でもけっこう重たい。しかも、死後2日目だったために死後硬直がちょっと解けたのか、首や足がグデンとなる。車のなかでも母親がひざに乗せたまま移動した。これ、大型犬の人はどうしているんだろうと思った。
(東京のペット葬儀会社だともっと手厚いサービスがあるのかもしれない)
今日もどこかで人が生まれ、死んでいる。
今日もどこかで犬が生まれ、死んでいる。
そして、今日もどこかでラーメン屋がオープンし、閉店している。
(了)
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