三条市ふるさと納税、2022年はどんなですか?
三条市(新潟県)CMOの澤です。2021年10月に移住し、主にふるさと納税の仕事に従事し、三条市のふるさと納税寄付額をアップすること、またふるさと納税のほかにも三条市のブランド価値を全国に広めることをミッションに働いています。
おかげさまで3月末までの令和3年度、三条市のふるさと納税寄付額は倍増し、15億円を超えました!ご寄付いただいた全国の皆様、ありがとうございました!また、三条市の価値を一緒に高めてくれた市内企業の皆様にも改めて御礼申し上げます。
良い結果が出たことは嬉しいので、1ヵ月くらい喜びに浸ってバカンスに行きたいところですが、新年度は待ったなしで進んでいきます。そして、目の前にはやれることが山積みなのが現状。今年度、何のために、何を目指し、何をするのか、この記事で書いていきたいと思います。
(タイトルの「どんなですか?」は多分方言で、「どんな感じですか?」という意味合いで使われたりします。各社長によく言われるので使ってみました!)
三条市ふるさと納税のミッション
『三条市や産品の魅力を全国に伝え、市内企業のビジネス力を向上、ふるさと納税の税収を増やすことで経済・福祉・教育に投資を行い、市民が誇れる持続可能なまちづくりに寄与する。』
ふるさと納税はその金額や返礼品に話題が集中しがちだが、「何のためにやるのか?」はブレてはいけない。これは会社組織でも同じことだし、皆様からご寄付いただく、ふるさと納税ではなおさらだ。ふるさと納税ができた趣旨に沿って、応援いただいた方々の気持ちを乗せて、しっかり使い、未来まで豊かに暮らすことができるまちを実現することこそが目的だと考える。
三条市ふるさと納税のビジョン
『ホンモノの価値でチャレンジして稼ぐ、「選びたくなるまち」』
就任した時から言っているが、クオリティが高く、魅力的なモノ・コトが驚くほど存在している。全国的には「燕三条」として知られ、ものづくりのまちとして有名だが、名ばかりではなく、「ホンモノ」ばかりだ。
現状に甘んじることなく、時代とともに新しいチャレンジを続けてきた地域でもあると信じている。その時々で、若い力が変革を起こしてきたからこそ、形を変えながら「ものづくりのまち」として存続しているのだと思う。その姿勢も含めて、『価値観を大事にしながら、本物志向の「ものづくり」をしているところだよね』と言ってもらえる姿であり続けることが求められるし、ふるさと納税もそうでありたい。
その結果としての具体的なゴールとして、今年度25億円、という目標がある。
「ホンモノの価値」の源泉
クオリティ&ストーリー
品質が高いことは大前提であるとして(それも前提として持てるのは当たり前のことではなく、すごいことなのだけれど)、さらにすばらしいところは、作り手にストーリーがあるところだ。各会社には歴史もあるし、製品に対しての思い入れとプライドがある。企業訪問をするときに、すごいと感じるのは、皆さん自信を持って自社製品を世に送り出しているところで、そこに至るまでのストーリーも興味深い。
チャレンジ精神
先にも述べたとおりだが、三条の「ホンモノ」は覚悟を持って、愚直にチャレンジを続けてきた証だとも思う。社長密度が多いまち、ということが言われているが、つまりそれは起業=チャレンジをした先人たちがいる&いた、ということ。右肩上がりではなく、先も見えないこの時代だからこそ、チャレンジをすることの重要性は、もっと大きくなってきている。失敗、変化を恐れない、チャレンジする姿勢こそ、今後も「ホンモノ」を創り出す価値観なのだと思う。
自然とのつながり
三条は果樹の産地だ。信濃川のほか、河川沿いには果樹園が広がっており、その土壌や気候は果樹栽培に適している。年月を重ね、樹と語り合うように育てる果樹は、農家さんの思いと自然の恵みを受け、みずみずしく、甘い実をつける。ル レクチェ、桃、ぶどう、梨などは、自然と人がつながって育てられる三条の特産品だ。
もちろん米や野菜もうまい。あまり米のイメージはないかもしれないが、有機栽培米など丁寧につくられる米も多く、今年度のふるさと納税では期待している分野だ。
そして、昨年度から大きく打ち出していったアウトドア。アウトドアメーカーが集積しているのも、豊かな山林を持つ下田(しただ)など三条の自然とものづくりがあるからこそで、現代人が求めている「自然とのつながり」という価値観を体現できる資源がそろっている。
2022にやりたいこと(戦略・戦術)
今年度実行していく戦略、戦術の一部を紹介したい。理想形とはまだまだ程遠いが、一歩でも早く近づけるように方向性を示し、実行していきたい。
返礼品
返礼品はふるさと納税における自治体の色が出るとても重要な要素。現に三条市のアウトドア・キャンプのイメージはふるさと納税を通して、さらに全国に広まってきたのではないかと思う。企業とタッグを組み、「三条市=〇〇」という組み合わせを創り出し、全国に訴求していきたい。
新規返礼品開拓
まだまだ三条市には素敵な返礼品になりうる商品がある。実際にここにお願いしたいな、というところもまだある。
市内企業のビジネス力を向上することも目的であるため、商品を見させてもらい、どのような商流でどのようにプロモーションをして、など社長の皆さんともお話ができれば、お互いに得るものがあると思う。私自身、市内企業のお取組みを見て勉強になる部分が多々あり、大変ありがたい。
新規返礼品について、三条市は随時受け付けているので、いつでも三条市役所のふるさと納税チームに連絡をいただきたい。5月には新規返礼品についての説明会を行う予定だ。
オリジナル返礼品開発
そろそろワクワクする楽しい企画をやりたい!、という個人的な動機もかなりある。やはり中の人が楽しくやっていると、その熱量は伝わりやすい。三条市限定のお品は応援されやすいし、応援される製品はふるさと納税で世に出していく意義があると思う。
商品企画のところからご一緒いただける「我こそは!」という企業さんがいれば、こちらもいつでもお声がけいただきたい。
コト返礼品開発
体験コンテンツの最大のメリットは三条市にお越しいただけること。寄付額全体へのインパクトは正直少ないのだが、しっかりおもてなしができれば、ファンになっていただける自信がある地域なだけに、コト返礼品の重要性は高い。特にものづくり系、アウトドア関連の体験は三条市の特色として出すべきだ。深いストーリーを伝えるには、返礼品のページだけではどうしても限界があるし、実際に目で見て、体感してもらうことで地域や産品へのエンゲージメントが大きく高まる。
ふるさと納税とは別の話だが、ポスト感染症時代を見据えると、インバウンドについても同様の期待をしてよいし、その予行演習としてふるさと納税を使うのもよいのではないかと思っている。
情報発信
ストーリーの見える情報発信を
三条市の返礼品紹介ページはまだまだストーリーを語れるほど、しっかりと構築されていない。これは時間と労力をかけて、やっていくほかない。この半年間テクニック的なところで、寄付額を上げてきたが、それはふるさと納税の本質ではないと思っている。プロモーションでも大事なのは「ホンモノ」であるかどうか。うわべだけでやっていないか。そして、品物や作り手の本質とストーリーをしっかりお伝えして、ファン化できるか。
使い道
ここもあまり皆様にお伝えできていない部分だ。ゴールは金額ではなく、市民に還元されることであるが、何にどのように還元されているのか見えないと市民の皆様も「稼いでくれたのは知ってるけど、何のメリットがあったの?」ということになりかねない。
財源がない、ということは全体的に行政サービスのレベルが落ちていくという話なので、増収になった部分も現状維持に使っている、というのが本音かもしれないし、「これに使いました!」という単純な答えは出せないかもしれない。しかし、寄付者に対しても、市民に対しても説明責任は生じていると考えているので、皆さんの思いをどのように使っていくのか戦略的に考えたいし、当たり前だけど、有効に使わせていただきたい。使い道をどうコントロールするかは私の管轄外かもしれないが、皆様に説明するのは私の責任だと思うので、しっかり見ていきたい。
戦略PR・ソーシャル
ふるさと納税に限った話ではなく、対外的に戦略を持って、PRをまだできていない部分が多い。取材が入ったときに全体最適として何を出してもらおうと試みるのか、こちらからメディア側の意図を汲んで、どんなコンテンツを提案をしたらよいのか、その部分が弱いところがある。
ソーシャルも最低限やることとして、自治体といえども力を入れていかなければいけない領域だ。特に「移住したい街No.1」に選ばれるなど、これから住んでみたい、関わってみたい、という人が多くなっている中、若年層とのタッチポイントをつくるうえでは必要不可欠なツールになる。ここも断片的に取り組むのではなく、市役所全体として、何のために、どのプラットフォームを、どのように使うのか、の戦略、戦術が必要だ。
そこで三条市では戦略PR人材、ソーシャル人材を募集することになった。ふるさと納税の訴求として直接的に使うことはあまりないかもしれないが、三条の世界観をお伝えすることで、応援してもらえるようにしていきたい。
顧客満足向上
配達までのリードタイム
三条のモノは人の手で造るものが多く、大量生産でないことも多い。ふるさと納税も受注発注で都度お願いしていたものも多くある。一方で、3ヵ月待ち、ときには半年待ちなど、ふるさと納税と言えどもなかなか驚くような納期で寄付者をお待たせしていた。
これからはメーカー側にも年間の数量予測もお伝えし、在庫をある程度積んでいただく、基本的にはなくなったら掲出しない、などの対応をしていきたい。行列ができる返礼品もあり、いつできるかわかっているものはそのときに配送する旨をしっかりお伝えして、ご理解いただいたうえでご寄付いただくようにしたい。
書類発送ワークフローの最適化
システムの事情で半年前くらいまで、ワンストップ申請書の送付がかなり遅かった。ワークフローを見直し、昨年途中からご寄付いただいて、すぐに発送できる体制を整えている。こういった見えづらい部分も全国トップレベルにしていくことで、寄付者が快適にご寄付いただけるようにしたいと考えている。
カスタマーサポート
今まで寄付者から直接市役所にお電話をいただかない限り、もしくはよほどのクレームでない限り、どのようなお声があったのか、よくわからない、というフローになっていた。寄付者からのご意見はとても貴重で、それを改善すれば全体としての顧客満足につながることが多い。現状はそれも改善し、寄付者の皆様がどのあたりを不満に思われているのか、などご意見を吸い上げることができている。
三条市のふるさと納税はやっとスタートラインに立ったばかり。上記に書いたとおり、やりたいことがたくさんあるし、いくら時間があっても足りない。三条市役所の職員が個人としても組織としても、自ら考え、行動していくことも、大切な今年のテーマの一つ。積極的に皆さんとコミュニケーションを取り、お話しできればと思うので、職員の皆様はお気軽にお声がけを!
日本の未来を切り拓くような、オンリーワンのまちであり続け、市民の皆さんが三条に誇りを持てるように貢献できたらとても嬉しい。
最後に、またまた売り込みばかりで恐縮ですが(笑)、全国の記事を見てくださった皆さん、こんな三条のふるさと納税っていいなー、と思ったら、ふるさと納税は三条市でお願いいたします!
楽天ふるさと納税(三条市返礼品ページ)
ふるさとチョイス(三条市返礼品ページ)
※三条市民の皆様は三条市に寄付しても返礼品はもらえませんよ。
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